ダンジョンズ&ドラゴンズ トップページへ
D&Dトップ
フォーゴトン・レルム
D&Dミニチュア

〜3.5版ユーザーの方へ〜

文:柳田真坂樹


何が変わったのか?

 詳しいルールの差異は実際に見てもらうのが一番だ。とはいえ4版は総じてセッション時にルールブックを参照しなくていいように、数値の再計算を行なわなくていいようにデザインされている。たとえば、キャラクターが伏せ状態や盲目状態など不利な状態になったなら、攻撃をする相手に対して一律で“戦術的優位”を与えることにしてある。各状態がもたらす効果をいちいち調べる必要はない。また、呪文や特殊効果の効果時間は“遭遇終了時まで”や“瞬間”なので持続時間を管理する必要はなくなり、能力値が変動する効果(おなじみブルズ・ストレンクスなど)もほとんどなくなったので、データを再計算する機会はない。こうすることで、遭遇前の準備時間(強化呪文やそれに伴うデータの再計算)を減らし、実際のセッション時間を確保することに成功している。
 また各キャラクターの特殊能力、特殊行動を“パワー”という記述で統一した。これによりクラスごとの特殊なルール(呪文の発動やアンデッド退散など)を別々に使用する必要がなくなり、全体として覚えなければならないルール、データが少なくなっている。最低限のルールを理解したなら、自分が使うパワーを知れば充分にそのクラスで活躍できる。


“パワー”によるキャラ作成

 3.5版では特技や魔法のアイテム、呪文を使ってそのキャラクターなりの“切り札”や“特殊な戦闘オプション”を作っていた。4版では各クラスにそうした“切り札”が“パワー”として用意されており、その選択でキャラクターの個性が出るようになっている。3.5版がネジ一本までカスタムして作るのだとしたら、4版は既成のユニットを組んでキャラクターを作る感覚に近い。  そして、これまでの膨大なサプリメントやデータがある3.5版に比べると、キャラ構築のおもしろさについては出たばかりの4版は分が悪い。“ユニット”のバリエーションが不十分と思えるだろうし、キャラの作り込みも3.5版ほどに“尖らせる”ことはできない。しかし一方で、組み方がわからず箸にも棒にもかからないキャラクターができてしまうことは少なくなった。主要能力値が高ければ、キャラクターの性能は充分保証される。これは、新たにD&Dを始める人にはありがたいだろう。  そして、4版では実のところ個々のキャラクターの能力よりも、パーティが戦場でどのように有機的に動くか、その運用にこそだいご味がある。すなわち、防衛役、撃破役、指揮役、制御役の仕事をそれぞれが立派に果たしてパーティが一つの生き物となる瞬間があり、机上のチームプレイがもたらす興奮と達成感が4版でのおもしろさになる。


変わらないもの

 一つアドバイスを送ろう。マジック・ミサイルは撃ち放題になった。ヒット・ポイントは数倍に増えた。だが、それでも、このゲームは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』だ。気を抜けば容易にキャラクターは倒れ、連携のとれないパーティは志半ばで崩壊する。そう、僕たちが慣れ親しんだ、血と炎と鋼の支配する地獄のような楽園なのだ。
 さあ、征こう。ブーツは古いままでいい。新たな刃の切れ味をまずは試してみようじゃないか!
 良き冒険を祈る!