コラム

プレイレポ(2017/11/16)「ムーン・ブレード」

更新日: 2017.11.29

ゼーラの精神世界

闇を貫いて一条、乳白色の光が差し込んでいる。
――地上には岩の天蓋がない。天の光が我らの目を灼く。
ゼーラはぼんやりと昔聞いた物語を思い出す。
――裏切り者たちは眩しい光をいいことに、我らを狩り立てる。
物語はそのあと、地上の同族への憎悪、侮蔑を幼子に語り聞かせるものであった。が、ゼーラはそれを覚えていない。
彼女は獣としてあった年月の方が、ドラウとしてあった年月よりも長い。
「あ、お月さまか……」
十六夜の月の光であった。
その下に1人、黒いガウンをまとったエルフの女性が立っていた。
ゼーラと同じく漆黒の肌、しかしそのつややかな髪はあたりの闇に溶け込みそうな黒、ドラウのもつ白い髪ではなかった。
「あなたが私の主ですか」
「え、どういうこと?」
エルフは、眉をひそめる。
「あなたはなぜ、エルフなのにエルフ語を話さないのです?」
歌うような、銀の鈴が震えるような、完璧なエルフ語であった。
「あ、ごめんなさい」
「年月で言葉は変わったのかもしれませぬが、ですがあなたは私、夜に咲く ダウルディシア の主。エルフの至宝月光剣 ムーン・ブレード を帯びるに足る正しき良きエルフであるよう務めてください。まずは言葉からです」
「“良きエルフ”なんて言われても……わたし、クレンシャーに育てられたからそんなのわかんないよ!」
「時間はいくらでもあります。今から訓練してゆきましょう」

アルカデス:
何か大変なコトになってる(笑)
ゼーラ:
に、苦手だなぁ(汗)「どうしたらみんなのところに帰れるの? 早く返して」
ゼーラ:
「水は飲めそう?」
DM/ダウルディシア:
「あなたの同行者たちが手当てしてくれています。いずれ目覚めるでしょう。……私がこのように話せるのはあなたが眠っている間だけです。ですからもうしばらくこちらで話をさせていただきます。先ほどの戦い、あれはなんですか! あれがエルフの戦い方ですか! 」
ゼーラ:
「え~!」
DM:
「そもそも戦いとは歌であり、舞いであり……」以降十数分お説教が続きます。
ゼーラ:
途中で丸くなって眠る。
DM:
耳を引っ張ってお説教を流し込む。と、その時点でダウルディシアは尋ねます。「なぜあなたの髪の毛はそのように白いのです?」
ゼーラ:
「なぜって……生まれつきだよ。ドラウは髪の毛白いんだよ!」
DM:
「私のいた時代ではダークエルフの髪は白くはありませんでした。それと……ドラウとは何のことですか?」
全員:
えっ?
ゼーラ:
「蜘蛛の女神ロルスって知らない?」
DM:
「ルロス、であれば知っていますが」と。どうもこの剣との話は噛み合わない。
ゼーラ:
「……あなた、いつの人なの?」
DM:
「そうですね、王冠戦争が終わった頃までは記憶がありますが」
ゼーラ:
知らないよそんな戦争!
DM:
「あなたはエルフだというのに伝承の知識も無いのですか!」
ゼーラ:
「誰か助けてー!」

囚われの地

お説教は続く、ゼーラが持ち主となったことにより刃に『門を開くもの』というルーン文字が新たな刻まれたが、まさか自分がロックピックになるとは思わなかったこと。
だが、これもまたゼーラの運命でありエルフの御祖 みおや と先祖がそれを望んだのだろうと言うこと。
ゼーラ・スルーンレットの名前にどこか聞き覚えがあること。
語りはやがて剣の身上におよんだ。
ヨックロールに囚われている間に力を失い影響も受けたこと。本来は自分を鍛えた一族の血筋に仕えるものだが、ゼーラの手に握られ受け継ぎのルーンが刃に現われたのなら、ゼーラに仕えること。そして、このことから察するに本来の持ち主の血族はすでに死に絶えてしまったのだろうと言うこと。
しかし、ゼーラが主となったのなら全力で主を「完璧なエルフ」にしてみせると言うこと。

DM/ダウルディシア:
「これから毎晩、あなたの夢に出てまいります。まずは上古エルフ語の練習、礼法、舞踊……」
ゼーラ:
「そんなの戦いに必要ないよ! それよりここを出る方法を教えて!」

「この地は私を封じるため、ルロスが己の領域につくった擬似次元界なのです。ですから、ここに至るにはあの女神自身や眷属による次元門しかありません。ですが、あなたのお仲間もこの地に来ることができる練達の士、きっとゲートの呪文の一つや二つ……」

ゼーラ:
「そうか! バレンドなら!」
バレンド:
何レベルだと思ってるんだよ! 無理!
DM:
つまり何が言いたいかというと、彼女自身も出方は知らないと言うことです。
ゼーラ:
「そっかー……。あと、ドライダーになっちゃったエルレアリさんを元に戻す方法はない?」
DM/ダウルディシア:
「あれは神の身業によるもの。神の力にも匹敵する力が必要ではないでしょうか」
ダーヴィン:
願い ウィッシュ だな。

魔剣の意識、黒きエルフの淑女はまぶたを閉じた。
「あなたの鼓動が強くなってきています。目覚めの時が近いのでしょう。
あなたはエルフの理想像にはほど遠い。しかしただ一つ、優れたところがあります。それは私が仕えてきた上古のエルフの英雄にもまさる長所……あなたは頑丈です。それはエルフの戦士にとってもっとも得がたく有用な特質なのですよ。
現実世界では私は想いしか伝えられません。次の眠りを楽しみにしています。
ごきげんよう、我が主」

そして、ゼーラは目を覚ました。

月の門

アルカデス:
ヒット・ポイントが10点ほど回復してるよー。
バレンド:
だいぶうなされていたな、何度も「助けて」と言っていた。珍しい(笑)
ゼーラ:
剣を離す。
DM:
剣がからん、と転がって近づいてきます。
ダーヴィン:
呪いの剣か(笑)
アルカデス:
聖邪感知!
DM:
だいじょうぶ、別にアンデッドやデーモンが憑依した剣ってわけじゃありません(笑)
ゼーラ:
夢の中の話をします。「寝てる時も勉強しろって。この剣よくないよ」
バレンド:
「しょせん夢の話であろう」

しかし、剣もこの地からの脱出法をしらないのなら、状況は詰んでいる。
押し黙る一行。
そのとき、おそるおそるドライダーのエルレアリが声をかけた。「中庭の水盤が光っています」と。

DM:
水盤から溢れているのは白銀の光、その水面には月が映っています。前回覗き込んだときには十五夜だった月ですが、今は十七夜、くらいでしょうか」
アルカデス:
満ち欠けが早い? 「一体何が起こっているんだ? バレンド」
バレンド:
さすがにこれは……〈魔法学〉振ってみます。出目19! 習熟してるから難易度24まで。
DM:
水面というのは、それ自体が二つの世界の境界が接した界面。あちらとこちらを隔てるものです。さらに水面には世界のありようが映る。しかし、この蜘蛛糸に包まれた擬似次元界で月が見えるはずもなく、その光が水面に落ちることも差し込むことも無い。
ならば、この泉の水面に映っているのはどこの月か?
水面の向こうがわの世界の月が映っているのでは?
ダーヴィン:
でもこのあいだ頭突っ込んだときには何もなかったよね?
DM:
はい、そのとおり。
アルカデス:
手や頭突っ込んでみるけど?
DM:
清浄な水ですが、なにもありません。
全員:
うーん。
バレンド:
身体ごとはいらなきゃダメなんじゃないか?
ゼーラ:
なら水浴びの要領でざぶーん、と。

三つのことが同時に起こった。
ゼーラが水の中に飛び込んだとたん、魔剣“夜に咲く花” ダウルディシア が彼女の手の中に滑り込んだ。そして、脳裏に魔剣の肯定の感情が伝わる。
水盤の水底に別の水面があった。水泡が上では無く、下。その別の水面の方へ浮かんでゆく。
その水面に、月の光が浮かんでいた。

全員:
おー!
アルカデス:
『門を開くもの』はこういう意味だったのか!
DM:
(前回、ダイス振って出たからそれに合わせたんだけどね)。同時に起こること2つ目。エルレアリがびくん、と身体を震わせるとゼーラを追って水盤に飛び込みます。そして、この蜘蛛糸の洞窟全体がぐらり、と揺れます。
アルカデス:
崩れるぞ!
バレンド:
飛び込め!
ダーヴィン:
みんな早いなオイ!
DM:
3つ目、妖しくひかる魔法の門が出現し、そこから刺客がここに飛び込んできます。ドラウに率いられたホブゴブリンの兵士。これらは地上世界の者たちのようで、門の向こうにはダンジョンの部屋が見える。イニシアチブを振ってください。
で、この遭遇の特殊ルール。今は21時ですが、21時45分には、蜘蛛神ロルスが糸を巻き取りこの擬似次元界を消滅させます。それまでに脱出できないとき、みなさんは“無限の階層なす奈落”アビスに放り出され、次回からのセッションは大変なコトになります。
バレンド:
敵が通ってきた門から戻るってのもアリだな。
DM:
はい(笑)それは皆さんが決めてくれて構いません!
ゼーラ:
でもみんなで水盤くぐったら終わりじゃない?

帰還のために

刺客に先駆けて飛び込んできたのは大グモであった。吹き出される蜘蛛の糸にバレンドが絡まれる。

DM:
拘束状態、移動速度が0になります。蜘蛛の糸はAC9、ヒット・ポイントが5点、[火]に対する脆弱性があります。そして次に動くのがエルレアリ。

張り巡らせた糸により、蜘蛛神は彼女の領域で起こることをつまびらかに知る。仕組んだ数多の策謀の一つが今、妨害されようとしていることを知り、蜘蛛神は指先をほんの少し動かして、自分の被造物に令を下した。
――使えなくしろ。

DM:
ロルスの命令がエルレアリに伝わり、彼女は飛び込んだ水盤の中で、刃を自分の首に突き立て、そのまま胸の半ばまで引き下ろします。溢れた血が月にかかる雲のようにゼーラの行こうとしていた道を閉ざします。
泉の水が汚され、門が使えなくなります!
アルカデス:
そういうことか。
ゼーラ:
「友達になれるかもって思ったのに!」

ホブゴブリンたちは肩を並べて囚われの身になったバレンドに打ちかかる。ドワーフの戦士と言えども、身動きがとれないところに連携の業を受ければ、ただでは済まない!

バレンド:
「シールド!」
DM/ホブゴブリン:
「こいつ、魔法使いだと!」……そろそろこっちの連中も学習しても良いんじゃねえかな! つぎはゼーラだね。剣の焦りが伝わってくる。このままでは門が使えない。
ゼーラ:
「そんなこと関係無い、怒ったぞ!」と激怒する。
DM:
なら、剣の強い思いが言葉のように伝わってくる。

「良かった、私も同意見です。やっちまいましょう!」

ゼーラ:
以外と気があった!?
DM:
混沌にさらされてる間に性格が“中立にして善”から“混沌にして善”になってしまったので。
ゼーラ:
「よーし!」でも外れた。
DM/ダウルディシア:
「怒りに身を忘れてはなりません、復讐は冷静に行なうのです!」
アルカデス:
蜘蛛の糸は火に弱いんだよね。なら、ホブゴブリンとまとめてブレスで焼ける……バレンドも燃えそうだけど!
バレンド:
大丈夫!
アルカデス:
えーい、ダメージ5点。
DM:
糸は焼け切れた、ホブゴブリンたちもダメージ受ける。
バレンド:
セーヴィング・スロー、1!
DM:
あざやか! 達人の業をみるような失敗(笑)
バレンド:
雷鳴波 サンダーウェーヴ 、2レベルスロット使って3d8、19点。
DM:
衝撃波のような音響で2体のホブゴブリンが弾き飛ばされ、身体がバラバラになった! 「ちぃ、弾よけにもならんか」とドラウ達。
ダーヴィン:
なら、エルレアリの死体に近づいて、彼女の帽子 ハット・オヴ・ディスガイズ と剣とを拾ってかぶり「仲良くなれると思ったのにな」と言って終わり。
DM:
死を悼んでくれてありがとう、インスピレーションをどうぞ。

肉の盾が無くなったドラウたちは妖精の火 フェアリー・ファイアー でゼーラを目立たせ、毒矢を撃ち込む。
満身創痍だがその傷の痛みがゼーラの怒りを燃やす。
そのゼーラにアルカデスが癒しの手を使う。
そしてバレンド。

バレンド:
なんとか水盤をきれいにする方法を考えたい……。
DM:
【知力】判定を……成功しました? ならバレンドはすぐに気づきます。月の光を帯びた水、それは今バレンドが盛っています。あの、月の水差し!
バレンド:
そうだった! ジャイアント・スパイダーから“離脱”して、水差しを取り出す。
DM:
水を注げるのは次のラウンドですね! ドラウ達が水差しに気づき、「しまった!」
ダーヴィン:
「俺の船に乗り込み戦しかけてくるとはね!」とドラウにトリップ・アタックで9点。
DM:
転倒!
ダーヴィン:
“怒涛のアクション”で有利もらって追撃。
DM:
転がって避けたけど、すでにhpは半分割ってます。フェアリー・ファイアーの精神集中も失敗。効果は無くなります。暗闇 ダークネス かけて、いったん離れよう!

闇の中に逃れたドラウはそのまま、物陰に隠れて次の攻撃に望みを繋ぐ。
ジャイアント・スパイダーの攻撃をかいくぐり、ゼーラ、アルカデスが打撃を見舞う。蜘蛛は体液を飛び散らしてひっくり返った。そしてドワーフの魔術師がバックパックから水差しを取り出し、中身を水盤にそそぐ。
玲瓏たる月の光が満ちた。
雲は、晴れた。

バレンド:
移動で中に入る。どぼーん。
DM:
バレンドの身体は水の中に沈んでゆく。と、その途中で上下がひっくり返り、水面に顔が出ます!

カエルの鳴き声が聞えた。
鼻に草むらの据えた匂い、泥の甘い匂いが届く。
沼地の水からドワーフは頭を出していた。
見上げた空には、十七夜の月が浮かんでいた。

バレンド:
おおー! もどっってきた!
DM:
そして、ですね。目を巡らせた丘の上、見覚えのある建物の影、国境の城塞!
アルカデス:
やった!
DM:
その国境の城塞が燃えている。戦太鼓が聞えている。ゴブリン達の鬨の声!
ダーヴィン:
水盤の隣に移動、アルカデスとゼーラが水盤に入ったら飛び込むという“待機”。
DM:
ドラウが隠れた場所からゼーラを撃つがアルカデスが邪魔になってはずれ。もう一本も命中したけど、このダメージじゃ止まらないね。ゼーラです。
アルカデス:
「飛び込め、いつまでこの門が続くかわからん!」
ゼーラ:
エルレアリの死体、連れて行きたいけど……水盤がまた使えなくなっちゃう。諦めて飛び込む。
アルカデス:
ダーヴィンにうなずいて飛び込む。
ダーヴィン:
待機が解決、飛び込む。ドラウ達に「船といっしょに沈め、バーカ!」
DM:
ドラウの悲鳴が聞える。OK、皆さんはいかなる運命のいたずらか、ロルスすらも予想しなかった……まあ、あんなぴったりの特性が出るとは思わない! 月光剣 ムーン・ブレード の特性により次元門を開いて脱出に成功します。
しかし、帰ってきた国境の城塞は今まさに城攻めの真っ最中、というところで次回に続きます!