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これでもくらえ! とっておきの呪文を―『秘術の書』 8月31日発売!

更新情報
第2章:ウォーロック 
第3章:ソーサラー
第4章:ソードメイジ  New!

はじめに

 電撃、雷鳴、幻影、装具、歌、招来、呪い、混沌――その一切を駆使するのが秘術キャラクターだ。超自然的なエネルギーを利用して現実のありようを巧みに操作し、敵陣に壊滅的損害をもたらし、味方の戦いを勝利へと導く術を体得した者たちのことだ。この道を究め尽くした者ともなれば、武器を手に取ることもせぬまま、戦場に驚嘆すべき効果をもたらしうる。
 本書は奇想天外な効果や神秘的な能力についての手引き書だ。本書のページには秘術をパワー源とするキャラクター、すなわちウィザード、ウォーロック、ソーサラー、ソードメイジ、バード向けの新たな作成オプションや、彼らがその役割を十二分に果たせるようにする新たな手段が列挙してある。秘術をパワー源としないクラスのキャラクターにとっても有用なマルチクラス特技も収録されてはいるが、それ以外はすべて秘術をパワー源とするキャラクターのためのものである。


本書の使い方

 目次を見ればわかるように、『秘術の書』はクラスごとに章分けしてある。君が秘術をパワー源とするクラスのキャラクターをすでに持っているか、新たに作りたいと考えているのであれば、そのクラスに対応した章を開いて、新たな作成オプションやパワー、伝説の道を参照するだけでいい。本書の最終章には君の秘術の能力をさらに強化する100種類以上もの特技に加えて、秘術キャラクター向けの新たな9種類の“神話の運命”、使い魔についての新たなルール、数々のトウム(魔道書)や新しい儀式、秘術キャラクターに背景設定を付け加えるヒント集、といった内容も掲載してある。
 『秘術の書』は新たな作成オプションを用いた新キャラクターでプレイを始めるのにも、これまで使ってきたキャラクターの人物像をより際立たせるパワーを見繕ったり、特技を選んでさらに強化することにも役立つサプリメントである。本書で紹介する伝説の道の中に、君が常々やってみたいと思っていたスタイルを完璧に実現できるものが見つかるかも知れない。


キャラクターのイメージ変更

 これは無理からぬことである。プレイヤーの立場からしてみれば、これまで秘術キャラクターをプレイしていたところに突然『秘術の書』が発売され、たくさんの新しい可能性が..最初から知っていれば絶対取ったであろう選択肢が..提示されたのだから。
 しかし落胆することはない。対応策はいくつかある。再訓練のルールを使えば『秘術の書』を導入するのは簡単だ。再訓練では時間がかかりすぎてダメだという場合は『秘術の書』の提示する指針に従ってキャラクターを作り直していいかどうか、DMと他のプレイヤーたちに相談してみよう。これはキャンペーンに悪影響を及ぼすことなく君のキャラクターをオーバーホールするチャンスである。また、君のDMにとっても、物語を一部修正する良い機会となるかも知れない。こうした修正も無理な場合、古いキャラクターにはドラマチックに退場してもらい、新たにキャラクターを作成するといいだろう。


第1章 ウィザード

「呪文がすらすらと口をついて出、魔力が指先よりほとばしり出る。我が才を誰が否定できよう。秘術の研究に生涯を捧げることの、重責と歓喜と2つ我にあり」  ウィザードこそが世人の胸にある秘術魔法の行使者像であり、それも至極当然なことだ。秘術を操る者は数おれど、現実世界の根底にある魔法の原理を心底理解しえたのは君たちだけなのだ。秘術の魔力を利用する者は他にもいるが、あくまで上辺のことでしかない。
 画家がひらめきを白いキャンバスの表面に組み立てていき、彫刻家がくすんだ石の中に閉じ込められた姿を露わにしていくように、君は魔法を操ることによって力を自己流に表現する。君の技芸は美しく、かつ命取りなものだ。君は現状に満足することなく、より複雑な儀式の研究や、より新奇で強力な装具の体得や、より破滅的な呪文の創出など、技術の研鑽に明け暮れている。
 オーブ、ロッド、スタッフ、ワンドといった秘術使いの定番以外に、ウィザードにしか使いこなせない装具もまたある。“トウム(魔道書)”とは秘術の極意を書き連ねたもので、そこから力を引き出すことが君にならできる。
 自ら敵を攻撃することが君のやり方なのであれ、むしろ陰湿で遠回しな術策を多用するのであれ、あらゆるウィザードにとって有用な情報がここにはある。本章には以下のような項目がある。


新しい装具

 『プレイヤーズ・ハンドブック』では、ウィザードがどのようにオーブやスタッフ、ワンドを活用して、秘術パワーの効果や発動を補うことができるのかを解説した。ここでは、ウィザードが“秘術装具体得”のクラス特徴で選ぶことができる新しい装具として、“トウム(魔道書)”を追加する。


新しい作成オプション

 『プレイヤーズ・ハンドブック』に記述のあるウィザードの作成オプションに加えて、本章ではさらに2種類のウィザードを提示する――すなわち、幻術型ウィザードと召喚型ウィザードである。


幻術型ウィザード

 君の神秘的なパワーは精神に作用し、五感を侵襲する。君がつくりあげた架空の光景と幻のクリーチャーたちは敵を妨げ、注意を散漫にさせ、気を逸らす。君の影響下にあるすべての物は見かけ通りではない。


召喚型ウィザード

 恐ろしいクリーチャーが君の呼び出しに応え、君の命に従って君を助け、戦う。君はこうしたモンスターたちを使役することに加え、敵を妨げ、傷つけるために、魔法的なエネルギー製の物体を創造する能力にも長けている。君は召喚したモンスターを操るために君自身のアクションを使用する必要があるため、戦闘における君の役割は他のウィザードたちとはまったく異なったものとなる。
 他のウィザードたちと同様に、攻撃ロールとダメージ・ロールを強化するために高い【知力】能力値がどうしても欠かせない。君の召喚クリーチャーのヒット・ポイントは君のヒット・ポイントに依存し、また多くの[創造]呪文ではより大きなダメージを与えたり高い効果をあげるために【耐久力】が重要となるので、君の2番目に高い能力値は【耐久力】となるだろう。[召喚]呪文を強化するために、“秘術装具体得”の特徴では“連結のトウム”を選ぶこと。一日毎パワーには[召喚]キーワードを有するものを、遭遇毎と無限回パワーには[創造]のキーワードを有するものを選ぼう。


新しいウィザードのパワー

 この項目では、幻術型ウィザードと召喚型ウィザードのためばかりでなく、攻撃型ウィザードと制御型ウィザードにも有用な、力を拡充させる数多くの呪文を紹介する。


新しい伝説の道



アーケイン・ウェイフェアラー
Arcane Wayfarer/秘術の時空旅人

“距離”などまぼろし、物質世界に囚われた心が勝手につくりあげたものだ

 時間と空間はほとんどのクリーチャーにとって越え難い障壁だ。その障壁を破ることなど、神々や、プライモーディアルたちや、伝説に語られる存在でもない限りは不可能だ。いやしかし、ことによると――君のような者たちにならできるのかもしれない。
 君はこれまでに短距離を瞬間移動するパワーをいくつか我がものとしてきた。だが、アーケイン・ウェイフェアラーとなった今、瞬間移動を成り立たせている仕組みがよりはっきりと見て取れるようになった。知識がなおも深まるにつれて、君は歩くような気軽さで瞬間移動できるようになり、筋肉ではなく心を働かせることでそこかしこへと飛び回ることが可能となった。君はその知識を自分のためだけに使おうとは思わない。空間に作用する効果を他人にも及ぼして、友人たちを安全に運び、敵どもを危険な場所へと送り込むことに喜びを感じているのだ。
 時間を操ることはいまだに君の手に余るものではあるが、大方が考えるほど、その目標が遠いものだとは思っていない。だってそうだろう、2つの地点を結ぶ最短距離がつねに「直線」だとは限らないのだから。



アンシーン・メイジ
Unseen Mage/不可視の魔道士

其処にいない相手と出くわしたことはあるかえ?

 覗きはするが姿は晒さず、世界に手は出すが手を出されることはない―それこそが魔術の極み、技巧の中の技巧。それゆえに君は不可視の術に没頭し、おのが身を曇りも傷もない窓ガラスのごとくに透明で、感知しようにも手がかりのないものとなした。君はアンシーン・メイジ、君は誰にも止められない。いや、それを言うなら、君は誰の目にもとまらない。
 瞬時に姿を消すことのできる君は、味方に踏みつけられないように、周囲に警戒して歩く習慣をつけねばならない。不可視の状態で街を歩くときにも気は抜けない。馬車や駕籠がそれと気づかずに君を轢かないとも限らないからだ。しかも、これほど強力な魔術は濫用の危険と背中合わせであるため、くれぐれも注意して用いることだ。



ウィーヴァー・オヴ・チャンス
Weaver of Chance/運命の織り手

遠大な計画や高尚な目的なんてないわ。すべては偶然に起こることなの

 君は宇宙の実相をはっきりと理解している。宇宙とは、乱心した神々が戯れ、プライモーディアルたちがはしゃぎ回る無分別の巷、そしてウィザードたちが功成り名を遂げることのできる場所。君は、世界と世界の谺である諸次元界が、入念な設計によってではなく、永劫とも思われるほどの長きに渡るゆっくりした反芻の結果、出来上がったということも理解している。
 神々が人々の宿命を操り、運命の糸をつむぎ、包括的な原理原則を具体化するこの万有の中で、人生観が揺るがずにいられる者はまずいない。君を狂人だと考える者すらいるだろう。だが、君は世界の究極の意味や万物の目的について何の幻想も抱いていない。ともあれ、君の倫理観は純粋なものだ。君が善行を為すのは、唯一の真理や大いなる目的を探し求めるためではなく、たんに自ら選んでそうするからなのだ。



ヘルメティック・サボター
Hermetic Saboteur/隠秘学の謀略者

そいつらを壁のくぼみに押し込んでくれい。わしがちょっとしたもてなしを用意しようから

 意地の悪い魔法のいたずらで敵の肝を冷やさせる以上に心躍ることがあるだろうか。君の罠はまぼろしではあるが、うっかり踏み込んできた者にとって致命的であることに変わりはない。さらに君は、ありきたりな罠に秘術の虚飾をくわえることで、身の安全をゆめ疑わぬ敵どもを引っかけることに無上の喜びを感じる。確かに、君が幻覚による派手な仕掛けをこしらえては大人げなくはしゃいでいることは認めねばなるまい。だが、敵勢を大混乱に引き込むことの楽しさといったら!
 とは言いながら、かように危険な罠を手当たり次第にばらまいたり、うっかり引っかけてしまう場所にしつらえて仲間の怒りを招くことだけは避けねばならない。そう、君は慎重であらねばならないのだ……どんな罠使いにも言えることだが。



ボンデッド・サモナー
Bonded Summoner/絆繋ぎの召喚士

奉仕者たちよ、我に従え! 我が力のために、我が勝利のために、うぬらは力を貸さねばならぬ

 君は召喚と創造の魔法に心奪われた。クリーチャーを自分のもとへ引き寄せる秘術の力と同じくらいの強さで、君は諸次元界の力に引きつけられている。君は召喚したクリーチャーとの間に余人の及ばぬ強いつながりを築き上げ、そのものたちへの支配力を高める。この密接な関係は、君に次元界の境界を操作する力をも与える。ただし、君は召喚した下僕に大いなる活力を吹き込む慈悲深い主人でもある―それがたとえ、より献身的な奉仕と引き換えなのであるにしても。


ライムタン・コーラー
Rimetongue Caller/霜語りの招請者

この種のパワーを操るには、冷たい心がなくてはならないのよ

 召喚クリーチャーはことごとく増強可能だ。他の秘術の道を歩む者、たとえばボンデッド・サモナーなら、召喚呪文や創造呪文に魔法のエネルギーを封入することでより強力な秘術の相棒をつくりあげるわけだが、君の歩む道の先には元素の冷気を無窮自在に使いこなせる境地がある。君は始原語の力みなぎる言葉を頼りに、召喚した従者のすべてを氷のプライモーディアルの精髄によって強化する術を修得した。
 厳冬の力を呼び込んだことの影響は、君の召喚クリーチャーに留まらず、君自身をもいっそう元素の気をおびたものへと変えた。君は冷気のプライモーディアルが生来備える諸能力や抵抗力をもその身に取り込んだ。君の召喚クリーチャーの外見そっくりそのままに、君の肌は氷のごとく青ざめ、その髪は雪なす白髪がもつれあった状態となる。君の秘術の炎までもが、霜火として蒼く燃え上がるのだ。