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第4章:パラディン


 君は鉄と勇気の生ける城砦であり、あらゆる敵の前に立ちはだかる。君は冒険者たちのパーティーの最前線を維持し、自ら真っ先に危険な場所に飛び込む。君は雄々しく敵に挑戦を叩きつけ、もっとも恐るべき敵どもに対しても刃向かい、自らを無視させることなど決してない。争いの只中、自らの勇気を白兵戦の中で試せる場所こそが君の居場所である。
 それぞれに異なった神格が、それぞれのパラディンにさまざまな期待を寄せている。仲間を害から守るものを好む神格もあれば、自らの勇者に復讐の完遂を求めるものもある。君は心熱きパラディン―自らの防御も、健康さえもなげうってより大きな攻撃的な力に献身するもの―かもしれない。あるいは君は、高潔なるパラディン―神々の敵がもたらす策略や堕落に耐えうる、清らかな心をもつ戦士―かもしれない。君はこれらの道のどれかひとつに専心するのかもしれないし、あるい独自の道を作り出すのでもよい。
 君の聖なる庇護者に仕える方法がいかなるものになるのであれ、本章は君に多くの新しいオプションを提供するものである。


新しいクラス特徴

 君はパラディンのキャラクターを作成する際、レイ・オン・ハンズの代わりに以下のパワーのうちひとつを選択することができる。


新しい作成オプション

 応報のパラディンと守護のパラディンに関する説明は『プレイヤーズ・ハンドブック』に収載されている。本章では、パラディンの作成オプション2種、すなわち攻撃に特化した心熱きパラディンと、有害な効果への抵抗に特化した高潔なるパラディンについて述べる。


高潔なるパラディン

 君は信仰の砦である。君の熱い心の前では、敵どもが弄する惑わしは恐るべき力は何の益もない。君は仲間たちを守るのは守護のパラディンと同様ではあるが、君は自ら戦い続けられるようにと、自分自身の身をも守る。敵どもがいかに君を攻め立てようとも、君は他のものならば大きな妨げとなるであろう状態にもすぐれて耐え続ける。とびぬけて信仰篤い一人の戦士として、君は他のパラディンよりも多くの使い道を自らの聖印に見出す。君は遠く離れた敵に接近する手段をいくつか持ち合わせており、よって君の武器の間合いの先にいる敵も、君の挑戦から逃れることはできないのである。


心熱きパラディン

 君の荒々しい襲撃は、君の神の怒りの現れである。君は他のパラディンに比べると、より撃破役に近い。敵を討つためとあれば、君は進んで自らの健やかさと防御を犠牲にし、より強力な攻撃者となるためならば回復能力のいくぶんかさえも犠牲にする。アーデント・ヴァウのパワーは攻撃による追加のダメージを与え、敵の注意を君にひきつけることにより、君が特定の敵に集中することを可能にしてくれる。このパワーは、君がマークした敵に対してより強力に働くようなパワーをも強化してくれる。


新しいパラディンのパワー

 パラディンは敵に挑戦を仕掛けるのに特化しているが、新しいパワーのうちのいくつかは、“神の制裁”を使用することにより、この能力を強化するものである。心熱きパラディンのパワーは神格とその目的に対する熱狂的な献身の現れであり、君自身の自己犠牲によって恐るべき大ダメージを生み出す。一方、高潔なるパラディンのパワーは献身と、また敵の攻撃から君自身を守る魂の力強さの反映である。応報のパラディンがより大きなダメージを与えるために心熱きパラディン用のパワーをいくつか選ぶのも良いし、守護のパラディンにとって高潔なるパラディンのパワーの多くは使用しやすいものである。


新しい伝説の道


クエスティング・ナイト
Questing Knight/探索の騎士
 「我が求めるものによってこそ我が価値は測られる

 君はとある神聖なる誓いを立て、いく世紀もの間、神の勇者たちの献身を試すために課されてきた大いなる探索を成し遂げようとしている。
 君は、クエスティング・ナイトとして、自分が成功に値するものであるという証を立てるには、神の求める基準を満たさねばならない。君の信仰する神格の性質に従い、君は傑出した勇気や忍耐力、謙虚さ、不屈の精神、智慧、名誉、怒り、あるいは敬虔さなどを示さねばならない。探索の目的となるのは、失われた聖遺物や隠された神託、現在では忘れ去られた聖なる詩篇の一節、君の神にとって好ましくないアーティファクトの破壊、あるいは伝説的な神敵の打倒などである。
 君の究極の目的地にいたる道は時としてより見出しにくいものになっていくため、君は現在の関心事を完全に捨て去る必要はない。君は君自身の冒険を続けつつ最善の努力を尽くせばよい。が、君の探索へとつながるしるしや可能性を見落とさぬよう、常に注意深く目を凝らしていなくてはならない。



グレイ・ガード
Gray Guard/灰色の護衛者
 「ことが成るのに必要な全てを為せ、道義を問うのは後のこと

 パラディンである君は人生を導くべき教えを手にし、君の世界観や道義心はそれによって形成された。君がとある行動規範には従わないとしても、君は君の神の教えには従っており、そして自らの信仰に求められる働きは行なっているのである。敵どもが正々堂々と動いてくれるということは決してない。より大きな善が成就するためには、決まりごとは時には曲げられ、あるいは破られさえせねばならない。
 このことを、グレイ・ガードである君よりよく知っているものはない。君はこれまで、パラディンとはこのようなものであるという予想を裏切る仕事をしてきており、仲間たちが避けるような厳しい選択を繰り返してきている。君にとっては、結末が全てを―盗み、うそ、暴力的な尋問でさえも―良しとするのだ。敵を倒すために必要とあれば、君はあらゆることに手を染める。神に仕えるにあたって君が取る戦略は、君と信仰を共にする他の者たちから好まれるものではない。多くは君を危険人物―どうかすると敵とさほど変わらぬほどに脅威的な存在であるとみなしている。言いたい連中には言わせておけばいい。君は知っている―彼らは心の奥底で君を恐れている、あるいは尊敬してさえいるかもしれぬのだ、と。



サイオン・オヴ・サクリファイス
Scion of Sacrifice/犠牲の末裔
 「脅したところで我には無意味。何を言ったところで、汝は我に殺されるのだ

 君の価値の中心、そして君が従う規範は、君が大きな目的のために喜んで命を投げ出すというところにある。君は心身ともに強く、また誰かを助けるためにその力を敢えて失ったとしても、君が弱くなることはない。君は聖なる怒りをもって一撃を放つ。それは君に苦痛をもたらすが、同時に更なる力をももたらすのだ。君は自身の価値を、倒した敵によって測る。
 サイオン・オヴ・サクリファイスである君は、極端な考えを持つものの中でも特に熱狂的な部類に入り、いかなる状況下であれ敵にまみえることを熱望している。他のものが一瞬手を休めて考えるときも、君は行動する―良し悪しに関わらず。とはいえ、君が自殺行為をするというわけではない。自分の能力では太刀打ちできないことが明らかな敵に出会ったときは、君はいったん退却し、自分の力が相手に敵い得る日に備えるのである。また、危機に陥った仲間に加勢するために向きを変えることもあれば、戦いの場から傷ついた仲間を運び出すということもする。が、おおかたの戦いにおいて、君は残忍で恐れを知らない戦士なのである。君が強力な敵を倒すために力を尽くして倒れるか、それとも明日の新たな脅威に備えて生き延びるかは、ひとえに君の神の手にかかっているのである。



スレイヤー・オヴ・ザ・デッド
Slayer of the Dead/死人殺し
 「貴様の墓に戻れ、飢えた死人め! さもなくば埋め戻すべき何ものも残らぬようにしてくれる

 地から這い出し、冷たい墓からよろめきだすアンデッドは地上に自然ならぬ腐敗をもたらす。君は信仰の輝かしい光をもって、これらの恐怖を滅ぼすことに専心している。アンデッドは、もはや生前そうであった存在ではない。そして連中を墓に送り返すことは、死にぞこないとして再び歩き出した屍の持ち主に礼を尽くす唯一の方法なのである。
 聖なる儀式を行ない、古の祈祷を学んで歩く死者たちを討ち滅ぼす力を身につけた後、君はこの聖務を負った。この伝説の道は、太陽神であり闇のクリーチャーの天敵であるペイロアの信徒と特に相性がよい。また、アイウーンのパラディンも、死にぞこないどもの神であるとともに忌まわしい秘密の万人であるヴェクナの計画を滅ぼすために献身している。多くの神格は自らの信徒に、アンデッドは神の法に逆らう存在であるとしてその駆逐を奨励しているため、この“死人殺し”は、さまざまな神々の献身者たちの間で伝統的なものとなっている。



チャンピオン・オヴ・コアロン
Champion of Corellon/コアロンの勇者
 「コアロンの恩寵と共にある我は、我が剣の触れうるいかなる敵をも恐れぬ

 エラドリンの宮廷の騎士である君は、フェイの諸侯への忠誠を堅く誓っている。君は勇敢で武勇に優れ、飛びぬけた忍耐強さ、優雅さ、そして情熱―エラドリンやエルフの間で同様に尊ばれる資質を備えている。君は定命の世界での騎士道に似た個人的な規範にしたがっているが、その中の名誉や勇敢さ、そして忠誠の概念にはフェイ的な視点が加わっている。ほとんどの騎士は戦闘での危険を減らすような有利性を敢えて避けることで自らの勇敢さを示すという義務を負っているが、君は弓も呪文も、そして有効でさえあるのなら策を講じることも軽蔑することはない。また君は、最も重い鎧を身に着けていても敏捷性や手早さを存分に発揮する技術を学んでいる。
 エラドリンの間では、この道を行くものはアエラヴェリン・セルダライン―すなわち、セルダラインの剣の騎士として知られる。これらの勇者の多くはエラドリン、エルフ、ハーフエルフである。コアロンがこれらの人々の庇護者だからである。他種族出身のチャンピオン・オヴ・コアロンはほとんどのエラドリンやエルフの集団で暖かく迎え入れられ、ルアサール(“星の友”ほどの意)、すなわち名誉同族として扱われる。



デーモンスレイヤー
Demonslayer/デーモン殺し
 「奈落へ逃げ帰れ、そして我が到来を触れ回れ。郎党どもの守りを固め、武器を取らせよ。まとめてきれいさっぱり消し尽くしてくれるわ!

 渾沌と残虐の体現たるデーモンどもの存在は君の信仰に対する侮辱であり、君はあらゆる機会を見つけて連中を滅ぼそうとしている。君は特別な祝福を受け、また奈落の住人どもに忌み嫌われる戦闘用の祈祷を学んでいる。君の攻撃は彼らの不浄なる防御を貫き、ただ君に近づくことでさえデーモンどもには苦痛となる。ありとあらゆるデーモンが死滅するまで、君は休もうとはしない。
 最も邪悪な闇の神を除いては、すべての神々はデーモンどもを宇宙に暗い影を投げかける存在と認識しており、デーモンどもの脅威が出現したならばそれを根こそぎにすることを自らの信者に求めている。デーモンどもに対峙し続ける騎士団を支えるのは、最も組織立った信仰篤き人々である―すなわち信仰ある人々の中から特に聖別されたデーモンスレイヤーたちは、古代の儀式を用いてそれを為すのである。



ドラゴンスレイヤー
Dragonslayer/竜殺し
 「我が剣、我が盾、我が信仰。これさえあればあの最凶の怪物どもに立ち向かえる

 勇者は多くの怪物どもと戦わねばならぬが、中でも野蛮で凶暴なのはドラゴンである。連中は爪、牙、棘、咆哮、そしてブレスという恐るべき武器を誇り、かつ鉄のごとき鱗と超自然的な活力で身を守っている。そして多くは捩くれて計算高い知性をも持っている。このような敵に立ち向かえる戦士は稀だが、君はこの破壊の権化から寄る辺なき人々を守ることをこそ自らの義務としたのである。君はありとあらゆる破壊的な怪物を探し出し―その中にはマンティコアやワイヴァーン、スフィンクスといった幻獣も含まれる―彼らの恐怖の支配に終わりをもたらす。
 君は狩人の技を持ち合わせてはいるが、辛抱強い追跡や罠、待ち伏せなどが、自分がこれと目した敵に有効であるとは考えていない。君が怪物どもにまみえるのは騎士道に則った戦闘においてであり、そこで技と勇気のすべてをかけて炎のブレスとひらめく牙に立ち向かう。これは正々堂々の戦いなのだ。



ナイト・オヴ・ザ・カリス
Knight of the Chalice/聖杯の騎士
 「失せろ、デヴィルどもめ! 貴様らはここでは何の力も持たぬ!

 九層地獄の中心で、デヴィルたちは世界中に悪をはびこらせようと計画している。君は地獄の企みから無垢なるものを守ると誓いを立てた。そうして心を同じくする戦士たちの一団に加わったのである。
 ナイト・オヴ・ザ・カリスは、まだ神であったころのアスモデウスに斃された、とある神格のアーティファクトにその名をちなんでいる。噂されているところによれば、その神格の聖杯から注がれた水を一口飲めば、飲んだものはその罪をすべて贖い、魂を完全に浄化することができたという。その杯から直接飲んだものは、たとえアスモデウスそのものであってさえ、悪から善に変わることができたのだというものもいる。この聖杯に関する伝説的な性質の真偽はどうであれ、これが力ある善のアーティファクトであったことは疑いようがない。そして多くのナイト・オヴ・ザ・カリスがこの聖杯を捜し求めている。また、さらに気高いものを追い求め続けているものもいる―すなわち、この聖杯の主であった神格をよみがえらせ、またもとの王座に着けようとしているのである。
 ナイト・オヴ・ザ・カリスである君は、地獄の輩が活動しているといういかなるしるしも見落とさぬように常に油断がない。君はデヴィルの影響を食い止めようとするすべての善なるものの守り手である。また、九層地獄の軍勢が集まりつつあるという仲間の騎士たちの呼びかけには、いついかなるときにも応じるのである。



ハンマー・オヴ・モラディン
Hammer of Moradin/モラディンの鎚
 「魂の鍛冶師の名に於いて我は戦う。モラディンの怒りを思い知らせてくれるわ!

 モラディンに献身する君は、君の神の古くからの敵を滅ぼし、信仰を守ることに全てを捧げている。その献身の見返りに、モラディンは君の手と盾に神自身の力を貸し与えてくれるのである。ハンマー・オヴ・モラディンたちがクレリックとパラディンからなる優秀な騎士団を形成し、ドワーフの都市を守っているという土地もある。また、騎士団の密偵が単独で行動し、あらゆるところで弱きを守り不正を匡すために力を振るうという場合もある。
 ハンマー・オヴ・モラディンの多くはドワーフだが、モラディンの信仰に基づく力を使用するものであれば誰でもこの道に進むことができる。多くの種族の勇者たちが悪を押し留め悪しきものを打ち倒す力を求めてモラディンを信仰する。ハンマー・オヴ・モラディンに数えられているものの中には、ヒューマンの騎士、エラドリンの刀鍛冶、ドラゴンボーンの戦司祭などがいる。



フェイスフル・シールド
Faithful Shield/信仰の盾
 「友よ、下がっておれ! 奴らにはあんたに指一本触れさせはせん

 君は寄る辺なきもの護り手たる生ける城壁、嵐の中の隠れ家である。フェイスフル・シールドである君は、仲間たちの健やかさと安全を、自分のそれに優先させている。
 フェイスフル・シールドは、世界中の信仰ある人々の間にあって、献身的な戦士としての素晴らしい手本となる。このような戦士たちは、聖所や神の僕たちの護り手をつとめるのである。あるいは世の中に出て行って、彼らを必要としている人々のためにその才能を発揮する。それは例えば周囲じゅうを敵に囲まれた開拓の町の人々や、禍々しき脅威に対して立ち向かう冒険者の一団などである。
 君の力は大ダメージを与えることではなく、仲間たちに対して、彼らが勝ち抜くのに必要な時間を与えるところにある。君は別の防御役と協力して難攻不落の壁を形成するかもしれないし、信の置ける撃破役と組んで敵の攻撃を食い止めつつ仲間のために血路を開くのかもしれない。君のいる一団が窮状に陥ったときに君はしんがりをつとめ、じりじりと後ずさりしながら、仲間たちが安全な場所に逃げ延びるまで時間を稼ぐのかもしれない。



ホーリィ・コンカラー
Holy Conqueror/聖なる征服者
 「悪党が我が怒りから逃れようと砦に逃げ込む時、壁はどれほど高かろうとも足りず、堀はどれほど広かろうとも足りぬ。我が行く手を妨げうる悪の稜堡など有りはせぬ。

 君は秩序と義の神に仕える聖なる戦士であり、直接的な悪の脅威の先の、その根源をも見据えている。君が目指す大いなる勝利の終着点は、恐るべき独裁者の放逐や邪悪なる国家の滅亡であり、これをもって君は神格に敵対するものから力を剥ぎ取り、よりふさわしいものにそれを与えようとするのである。君の心は領土を所有することにあるのではなく、君はただ有徳の統治者による政権を保つことにのみ心血を注ぐのである。
 君は一意専心に目的を追求するものであり、その達成がいかに遠くとも怯みはしない。そして君自身は一軍を率いる役目よりも、最前線の一兵士としての資質を有している。君は戦闘の只中に突っ込み、アーデント・ヴァウを用いて敵を討つことを好む。君は交渉を行なうにはあまりに気が短すぎ、衝動に駆られて過ちをしでかしかねない。
 ホーリィ・コンカラーたちはバハムートやコード、あるいはペイロアを信仰していることが多い。彼らは自らの信じる神を、戦闘での個々の勝利をもって讃えるのである。また、彼らの多くは、宗教的に大きな意味を持つ戦いが行なわれた特定の土地に強いつながりを持っている。