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Scales of Warの手引き

 『ダンジョン・マガジン年鑑』の目玉シナリオの1つと言えば、やはり『赤い手は滅びのしるし』のその後を扱った『Scales of War』シリーズの1作である『岩皮王の玉座』になるでしょう。ただ、本作は1レベルから30レベルまで扱った19作の『Scales of War』シリーズの連作アドベンチャーの11番目の作品になります。全体を通して200遭遇以上に及ぶ本シリーズの中盤のアドベンチャーになるわけです。
 単独のアドベンチャーとしてももちろん楽しめ、シリーズで既出の情報、例えば人名などについてはできるだけ訳注で説明をつけるようにしています。
 ですが、今までの流れを知っていた方が楽しめるのは事実です。
 そこで、『岩皮王の玉座』に至るまでの大まかな流れを紹介します。D&Dinsider内の『Dungeon』誌で本シリーズをプレイ中の方、ネタバレを嫌う方は見ないでください。
 あと、『岩皮王の玉座』にはシード・オヴ・ウィンター という前作でプレイヤーたちが入手したアーティファクトが登場しますが、このデータは『ダンジョン・マガジン年鑑』には未掲載です。和訳したデータを以下に掲載いたします。


 以下に『岩皮王の玉座』に至るまで『Scales of War』シリーズの各シナリオの簡単な粗筋を紹介します。既に訳語がついているもの以外は、基本的に原文を使用していますのでご了承ください。


『Scales of War』シリーズのシナリオリスト
1作目 Rescue At Rivenroar 1レベル Dungeon156
2作目 Siege of Bordrin's Watch 3レベル Dungeon157
3作目 The Shadow Rift of the Umbraforge 4レベル Dungeon158
4作目 The Lost Mine of Karak 6レベル Dungeon159
5作目 Den of the Destroyer 7レベル Dungeon160
6作目 The Temple Between 9レベル Dungeon161
7作目 Fist of Mourning 10レベル Dungeon162
8作目 Beyond the Mottled Tower 11レベル Dungeon163
9作目 Haven of the Bitter Glass 12レベル Dungeon164
10作目 Alliance at Nefelus 14レベル Dungeon165
11作目 Throne of the Stone Skinned King* 15レベル Dungeon166
12作目 Garaitha's Anvil 17レベル Dungeon167
13作目 A Tyranny of Souls 19レベル Dungeon168
14作目 Betrayal at Monadhan 21レベル Dungeon170
15作目 Grasp of the Mantled Citadel 22レベル Dungeon171
16作目 Legacy of Io 24レベル Dungeon172
17作目 Those Once Loyal 25レベル Dungeon173
18作目 Test of Fire 27レベル Dungeon174
19作目 Scales of War:Last Breath of the Dragon Queen 30レベル Dungeon175
*『岩皮王の玉座』です。

粗筋

 エルシア谷に再び危機が訪れようとしている。
 “赤き手”の再興を目指すホブゴブリンのSinruthがブリンドルに襲撃をかけたのだ。PCたちはこのホブゴブリンの一党を倒すが、それは大戦の序曲にすぎなかった(Dungeon156)。次にキャンペーンの舞台は、オーヴァールックに移る。エルシア谷の守りの要のこのドワーフ都市が、オークの侵攻にさらされるなど立て続けに危機にさらされる。そして、PCたちはSinruthの台頭から続く一連の事件の影に、シャダーカイの武器商人サーシャンの暗躍があることを知る(Dungeon157、158、159)。
 しかし、サーシャンですら大いなる悪の手先の1人にしか過ぎない。大いなる悪に抗するために1つの善なる存在が目覚める。Sinruthがブリンドルから奪ったアーティファクトに秘められていた魂が、復活のためにPCたちに助力を願う。困難を打ち破り、儀式を執り行うことによって、その魂はアミリアというデーヴァの女性へと姿を変える(Dungeon160)。
 そして、エルシア谷に再び戦火の足音が近づく。ギスヤンキの侵略である。次元界の裂け目がいくつもあるエルシア谷を、全次元界の征服の足掛かりにせんとするものである。まず、手始めにギスヤンキの将軍Zithiruunが秘密裏にオーヴァールックの支配を目論むが、PCたちに阻止される(Dungeon161。ちなみに、『ダンジョン・マガジン年鑑』の表紙のイラストがZithiruunと従者アンデッド・ドラゴンのRathoraiaxである)。
 その後、PCたちはサーシャンと決着をつけるなどするが、その間にアミリアはギスヤンキたちからエルシア谷を護るための準備を進める。彼女の発案で、諸勢力の同盟である“大連合”が発足する(Dungeon162、163、164)。
 デーヴァの評議会が統治するネフェルスという都市国家が孤島にあり、そこが超自然的な寒波に襲われた。助けを請われたPCたちは、その原因がティアマトのエグザルフである双頭のホワイト・ドラゴンのチルリーヴァーがシード・オヴ・ウィンター というアーティファクトを用いて行なっていることを突き止める。ドラゴンを倒したPCたちは、アーティファクトを手に入れ、ネフェルスを説得して“大連合”に参画させる(Dungeon165)。


『岩皮王の玉座』にも言及がある重要人物

アミリア:聖なる使命を負うバハムートを信奉するデーヴァの女性。指導者であり、大義のために剣をとる戦士でもある。
カラッド:『Siege of Bordrin's Watch』に登場して以降、PCたちと共にオーヴァールックを守りぬいたドワーフのパラディン。“大連合”の将軍になるのだが……。
ブラム・アイアンフェル:『The Lost Mines of Karak』でPCたちに失われた氏族の鉱山の探求を依頼した。この探求は大義のためであったが、彼自身は保身や利益のためには善悪を問わないドワーフで、かつてはサーシャンの元で働いていたことを隠していた。
ベジャム:『Alliance at Nefelus』でネフェルスの救済をPCたちに依頼したデーヴァ。ネフェルスを統治する評議会の一員。


シード・オヴ・ウィンター 伝説級

Seed of Winter/冬の種

この極めて大型で、真珠のような光沢を有するドングリの種は、フェイワイルドの“冬の宮廷”の伝説的なアーティファクトの1つであり、フェイが周辺環境に及ぼしうる力の濃厚な残滓である。

 シード・オヴ・ウィンター+3の装具であり、ワンドまたはトーテムとして機能する。また、以下の特性を有する。

強化:攻撃ロールおよびダメージ・ロール
クリティカル:+3d6[冷気]ダメージ。(火)のキーワードを有するクリーチャーに対しては+3d10[冷気]ダメージ。
特性:使用者は〈威圧〉および〈持久力〉の各判定に+2のアイテム・ボーナスを得る。
特性:使用者は“氷渡り”の能力を得る。
特性:使用者の[魅了]または[恐怖]のキーワードを有するパワーに対して、敵はセーヴィング・スローに−2のペナルティを受ける。
パワー([無限回]◆[装具]、[秘術]、[冷気]):標準アクション。使用者は、レイ・オヴ・フロスト(ウィザード/1レベル)を使用できる。使用者は攻撃ロールに【知力】、【判断力】、【魅力】のいずれかを使用することができる。
パワー([遭遇毎]◆[装具]、[秘術]、[冷気]):標準アクション。使用者は、ウィンターズ・ラス(ウィザード/7レベル)を使用できる。使用者は攻撃ロールに【知力】、【判断力】、【魅力】のいずれかを使用することができる。
パワー([一日毎]◆[原始]、[信頼性]、[装具]、[冷気]):標準アクション。使用者は、ディヴァウアリング・アイス(ドルイド/15レベル)を使用できる。使用者は攻撃ロールに【知力】、【判断力】、【魅力】のいずれかを使用することができる。


シード・オヴ・ウィンターの目的

◆もっともうだるような暑さの気候にさえ、冬の冷気をもたらす。
◆“夏の宮廷”のフェイおよび火の元素の手先と敵対する。
◆弱者と脆き者たちに服従を求める。
◆“冬の宮廷”に帰還する。


シード・オヴ・ウィンターのロールプレイ

 シード・オヴ・ウィンター は刺々しい女性の声で意志疎通を行ない、ガラスをチリンと鳴らしたような余韻を残す。シード は所有者への要求を口に出し、従わない場合は怒りの金切り声をあげる。使用者がシード の要求を飲めば飲むほど、これはお高くとまり、冷淡で、独裁的になり、いかなる任務をも達成させるために過酷なことを喜んで行なう。シード・オヴ・ウィンター は、かつて“冬の宮廷”に所属していたとあるアーチフェイの残響が含まれているという噂である。


信頼度
初期値 5
所有者が1レベルアップする +1d10
所有者が(冷気)のキーワードを有するクリーチャーである 2
所有者が[冷気]のキーワードを有するパワーを少なくとも1つ修得している 1
所有者が(火)のキーワードを有するクリーチャーを殺害する(最大1回/1日) 1
所有者がクリーチャーを支配するか威圧する(最大1回/1日) 1
所有者がシードの要求を拒む(最大2回/1日) -1
所有者または味方が(冷気)のキーワードを有するクリーチャーを殺害する(最大1回/1日) -2
所有者がクリーチャーを精神的支配から解放する(最大1回/1日) -2

歓喜(16〜20)

 「我らを拒もうとする者どもめらには、シード と我は氷のごとき手で支配を強要することになる
過酷で支配的、そして冷淡な使用者とシード は一心同体である。
シード の強化ボーナスが+4に上昇する。
クリティカル:+4d6[冷気]ダメージ。(火)のキーワードを有するクリーチャーに対しては+4d10[冷気]ダメージ。
特性:使用者は[冷気]に対する抵抗10を得る。
パワー([一日毎]◆[魅了]):マイナー・アクション。使用者から5マス以内の敵1体は、自分に隣接する目標1体(使用者が選ぶ)に対して1回の近接基礎攻撃を行なう。

満足(12〜15)

シード と我は、惰弱なる者のために苦しみを用意している
使用者はシード の所有者として申し分のない実力をすでに証明したが、冷たい勝利を重ねることで、なおいっそうシード の覚えめでたい者となる
特性:使用者は[冷気]に対する抵抗5を得る。
パワー([遭遇毎]):フリー・アクション。使用者はこのパワーを、目標を“減速状態”にさせるパワーをヒットさせた際に使用することができる。その敵は代わりに“動けない状態”となる。

通常(5〜11)

事ある毎に我に忠誠を求め、その英知に従わそうとしている。だが、我は何を試してもシード を満足させることができない
シード は何かにつけて使用者に要求を突き付けてばかりいるが、そのような要求が満たさなければ、怒りを爆発させがちである。


不満(1〜4)

シード は、腹立たしいことにことあるごとに責め立てる。これを喜ばすようなことを我はしたことがない
使用者は他者に寛容であるか、温暖な地に冬を訪れさせることに及び腰である。シード は暗い感情に常にとらわれがちであり、常に使用者を断罪するか、怒りの金切り声をあげる。
特性:使用者は意志防御値に−2のペナルティを被る。
特殊:使用者は[火]に対する脆弱性5を得る。

憤慨(0以下)

やめろ! 我に構うな! 今は極寒の悲嘆に浸っているだけだ
吠えたくる怒りでもって、シード は使用者の意志を押しつぶし、より強い精神力の者に手渡すように要求する。
シード の強化ボーナスは+2に減少する。
クリティカル:+2d6[冷気]ダメージ。(火)のキーワードを有するクリーチャーに対しては+2d10[冷気]ダメージ。
特性:使用者は意志防御値に−4のペナルティを被る。
特殊:使用者は[火]に対する脆弱性10を得る。
特殊:使用者が“減速状態”になった場合いつでも、代わりに“動けない状態”となる。

流転

フェイワイルドの冬の到来がシード を再び呼んでおるわ
ウィンター・オヴ・シード は定命の世界とその世界の“文明的”なやり方に嫌気がさし、その太古の力を新たにするためにフェイワイルドのクリーチャーの手に戻る。シードの信頼度が“満足”以上ならば、使用者が選択する何らかの[冷気]の装具を残していく。