トーチ・ポートWEBリプレイ 第3回 -1-
文:柳田真坂樹(骰拾陸) 絵:チョモラン
廃墟の住人達
サーリア:娘は助けられて安心したのか、その場に泣き崩れてしまいました。わたくしたちは彼女(名前を聞くとウルスラと答えました)をなだめ、まずは地下の様子を聞きだします。右手の奥が山賊たちのすみか、左手側がウルスラの捕らえられていた部屋とのこと。
「それ以外の場所には」
しっかりとイスカの手を握って離さず、ウルスラは答えます。
「あたしは、行き来させてもらえませんでした」
わたくしたちはウルスラを地上で待つ馬車に預け、廃墟の地下に戻りました。
当時、この地下室には数多くの装飾がされていたようです。壁にところどころ描かれた絵からはニンフやサテュロスの姿がうかがえました。しかし、内装の細工物はほぼ剥ぎ取られ、無残なありさまです。
わたくしたちは山賊たちの暮らしていたエリアを手早く探索し、それらしき飾り扉を2枚発見しました。ソフィーアの判別によれば、それは間違いなくスフィアパイクの扉。イスカが慎重にちょうつがいをはずします。
「地上に運び出すのは、ほかにいくつか見つけた後で良かろう」
床に置いた扉に帆布をかぶせ、ガーリンはそう言いました。その時です、わたくしの耳に大きな音が聞こえました。木と木を強く打ち合わせる音です。
「左奥です! 複数!? 」
わたくしは未踏査の廃墟左奥のエリアに、細心の注意を払って急ぎました。 |
DM :というわけで、左手奥の方から、何かを打ち壊そうとする音が聞こえてくる。
ソフィーア :どんな音ですか?
DM :長イスを扉にぶつけるような音。
イスカ :
おいっ!
サーリア :視認できるところまで移動します。
イーヴァル :同じく。
DM :通路の角からのぞくと、そこには蛮族風のいでたちをした男達がいる。彼らは歌を口ずさみながら携帯用の破城槌で、扉を打ち破ろうとしている。
サーリア :その扉は?
DM :
もちろんスフィアパイクの扉だ。
イスカ :“もちろん”じゃねぇっ! ふざくんなっ!!「あー、待った待った、ストーップ!」
DM :蛮族は手を止めて君たちに注目する。人数は3人。日焼けして、顔にはいくつもの刺青がある。
ガーリン :イーヴァルと同じ地方の蛮族だったりはせぬか! それなら話が早いぞ。
DM :いいアイデアだけど残念。そんなに遠い方の蛮人じゃないね。彼らは止めようとしたイスカに歯を剥き出して威嚇する。
「お前達にジャマをされる筋合いはない」となまりの強い共通語で言った。
イスカ :「まぁ待て、その扉を壊すな」
イーヴァル :一応、鎧と武器を聞いておこうか。
DM :ブレストプレートにグレートアックス。あと、携帯用破城槌

を脇に抱えている。
イーヴァル :ああ、新聞の勧誘員が持っているヤツな。
ソフィーア :そうそうそれそれ。
サーリア :新聞断ると玄関を叩き壊されるとでもいうつもりですか?
イスカ :(妄言をスルー)「ああ、ジャマをして済まないとは思うのだけど、なぜここを破ろうとしているのかな?」
DM :1人がずいと前に出てくる。「おれ達は人に雇われて、村の娘を助けに来た」
イスカ :村の娘……「ウルスラか?」
DM :「貴様なぜそれを知っている!」とグレートアックスの柄に手をかけ……。
イスカ :「(ぴしゃりと)待った。それはさっき助けた女の子なんだ。連れてこよう」
DM :彼らはかなり警戒しているね。〈交渉〉判定をしてくれるかな?
イスカ :ええい、なんで当人を連れてくるゆうとんのに敵対的なんじゃアッ!
DM :「文明人は平気で嘘をつくし、魔法の使い手がいたら困るからだ。なによりエルフは魔法を使うから信用ならん。そう婆さんが言っていた」
イーヴァル :
「まったくだ!、俺もそう思う!」
ガーリン :まっこと道理(ぽんと手を打つ)。
サーリア :待ってっ、待ってください! わたくしはエルフですがモンクの姿ですからそんな心配ないですよぅ!
ソフィーア :え、私は呪文使う気マンマンですけど、何か?
ガーリン :
いいから黙っててもらおうか、魔法使いの娘さん。
イスカ :じゃあ腰の酒袋を取り出し、一口あおり、「これでも飲んで待っててくれ」と言う。今から娘を連れてくる。〈交渉〉の結果は28だ。
DM :(なんだその出目)……あー、それなら蛮人たちはイスカの言葉を信用する。そして出された酒を飲まないのは流儀に反するので一口含んで味を見た。
ガーリン@蛮人 :「どうだ、魔法の味はするか」
DM :「いや、うまい酒だ」
イーヴァル@蛮人:「文明域の酒を飲みすぎると腰が抜けると聞いたぞ」(笑)
イスカ :(地上に戻って)あーウルスラさんウルスラさん、あなたを連れ戻しに来た人がいますよ。こっち来てくんないか。
DM :蛮人たちはやってきた彼女の背格好や服を確かめたり、臭いを嗅いだりしている。
ガーリン@蛮人 :「魔法のにおいはするか?」
DM :「いや、しない。大丈夫だ」……と言った具合でどうにか信用してくれましたね。
イスカ :どうする? 俺はこの人たちがウルスラを連れて帰ってくれるってんならそれでいいんだが。
イーヴァル :『おれ達はこの子を救うのに金貨50枚払ったんだが、お前らが彼女引き取るのにタダで持ってくのか』……って言っていい?(笑)
DM :なぁ、そこの
文明域に来たばっかだというのにえらく毒されてる野蛮人さんよゥ、この南方の野蛮人に少しスマナイとか思わないか、あアん?
イーヴァル :ああっ! 胸が、胸が痛いッ。そんな純粋な眼でおれを見るなッ(笑)
イスカ :というかだ、サクストン村の娘なら、あの村からこの娘に払える額なんてたかだか10gpかそこらなんだ。で、こいつらそれを引き受けるような貧乏人だぞ。出せるわけない。そうだろ?
DM :確かにそうだ。
「娘を助け出したら嫁にくれるといっていたのだ」
一同 :
おおー。
ガーリン :それならタダでいいはずだ(納得)。
イーヴァル@ウルスラ:「
イヤッ! あたしが助けられたのはこの人だもん、お嫁になんかいかないっ!」
DM :その瞬間ウルスラの顔色は変わり、イスカの腕にしがみついたのであったッ! (笑)
イスカ :(うんざり)その場合はだ、そっちにもメンツがあるだろうから、代理決闘人であるこっちの蛮人と心ゆくまで殴り合って決めてもらおうじゃないか(なげやり)。
まぁ、そんなこんなのやり取りの後、ウルスラと花嫁を手に入れた蛮人はサクストンの村に戻って行ったのでした。