よりよい自分になるために、人類のために働く『スターシップ・キャプテンズ』


宇宙……そこは最後のフロンティア……というわけで今回ご紹介する
スターシップ・キャプテンズ

は、新任の航宙巡洋艦の艦長として、4ラウンドにわたる作戦航海を行う、驚異に満ちたボードゲーム……宇宙で大作戦するアレみたいな感じ。

ゲーム自体のシステムはシンプルで、「移動」、「戦闘」、「改良」、「修理」、「ルーム技術(改良の結果得る)」などの「ルームの起動」」か「ミッション解決」を、待機室にいる乗員に指示して実行するものとなります。

上の列が待機列(つまり休み中)。
下の部屋が待機室(つまりこれから働く)。

働くことができるのは、待機室にいる乗員だけ……働いた乗員は、待機列に並びます(つまり勤務外となる)。

乗員は専門の部署に属しており、赤の航法士官は「移動」黄の兵器士官は「戦闘」青の科学士官は「改良」、「ルーム技術」は同じ色の士官が、「修理」は何色の士官でも(故に配属の決まっていない灰色の士官候補生も)行えます。

移動をすることで、ミッションが待っている惑星に赴くことができる……航路の宇宙海賊には注意!

ダメージを受けてしまうぞ!

戦闘を仕掛けることで、今いる惑星につながる航路上の宇宙海賊を排除できる……けどダメージを受けてしまう。

報酬は、宇宙海賊の捕虜とか、勲章とか、アンドロイド(惑星連盟に属していない第三勢力)の虜囚。

改良をすると、技術ボードから技術カードを獲得できる……カード枠のマークが揃ったらボーナスもある。

ルーム技術は普通のルームより効率的だったり、特殊な効果があったりするのもポイント。

この改良により、それぞれの航宇艦は個性的な能力を持つようになる。

しかしゲーム開始時、技術スロットと倉庫にはダメージマーカーが置かれているので、修理アクションで取り除く必要がある(新造艦なので最初からダメージを受けているというわけではない……多分)。

このアクションは誰でも行える(ダメコン大事!)。

ルーム起動は獲得した遺宝2個でもできます……組み合わせて同じ色のルームアクションか、別の色で修理をするか。

ただし遺宝はゲーム終了時に点数になるので良く考えて!

ミッションは人数さえそろっていればよく、「色があっている場合」はボーナスとしてカードの効果を解決しても構いません。

……転送ルームに乗員を送り込み、上の段から色が一致していれば効果を得るか選択するのだ。
右の場合、1段目は色があっていれば海賊勢力“ニ=アン”の影響トラックを2進めるか、倉庫にある(倒した)宇宙海賊を払うことで3進めるか選択することができる……無論、報酬によっては貰わない選択もあり。


ミッション解決後待機列に……アンドロイドはミッション解決を手伝ってくれる(どの色としても使える)が、その後故郷へ帰る(ストックに戻す)。

ミッションは解決すると新たなミッションカードを補充するのですが、ある一定回数補充が終わると宇宙海賊が追加されます。

働いた後は待機列(つまり休憩中)にならべます……次のラウンドでも最後尾の3人だけは休憩を続けます。

さて……ゲームとしては、このローテーションを考えるのですが、技術や人数を超えて結果を出すにはどうすればよいのか……!!

答えは、士官候補生をいずれかの士官にしたり、今いる士官を他部署に転属させたり、今いる士官を昇進させて上級士官にすることです!

勲章1つで配置転換か
候補生を正式な士官に。

勲章3つで
上級士官に昇進

特に上級士官は普通の士官に比べると……

1)残業させることができる
つまり、ルームの起動後、もう一度ルームを起動する。もしくは、ミッションのボーナスをもう1回得る
※「能力が向上している=効果が2倍」ではありませんので注意。

ルームの起動後……

残業でルーム技術の起動。

2)休息中の同じ部署の士官(と士官候補生に)待機命令を出せる
つまり、休憩を切り上げさせて働かせることができる……

ルームの起動後……

部下に出勤を命じる。

宇宙艦隊の労働環境!!

主な得点源としては、このミッションの達成によるものがありますが、他の要素として惑星連盟、ティンカン(アンドロイド種族)、ニ=アン(宇宙海賊を行っている独立武装勢力)の外交トラックを進める要素(関係を深めることでボーナスを得たり、ゲーム終了時に点数となる)も大得点源。

他にも獲得した遺宝や海賊も(倉庫から捨てられていなければ)得点になりますし、技術カードのうちΩ技術はゲーム終了時の条件によって得点となるものですので、これを指針にゲームを進めるのもアリ。
ほかには残っているティンカン、昇進させた士官も得点になるのでそこもうまく立ち回りましょう。

あと、ダメージは倉庫を圧迫するだけではなく、ゲーム終了人残っていれば減点になるので早めに消した方が良いかも。

このように、根幹のシステムはそれほど難しくはないのですが、航宇艦の改良と乗員の昇進/配置転換がすすむとアクションが入り組み、どの順番で起動すれば効率的にミッションをこなせるのか(もしくはそのほかのアクションを実行できるのか)、「1アクションを何点にするのか」という効率が求められることになります。

イメージしやすいフレーバーとそれら再現性が高いゲームシステムで、プレイ時間もほぼほぼ公称通り。昇進・改良周りのエンジン構築は今どきのゲームらしいつくりとなっており、遊びやすい中量級のゲームを探している人にお勧めいたしますが、加えて宇宙で大作戦を繰り広げるあのSFドラマが好きだった人には特にオススメいたします。

スターシップ・キャプテンズ
プレイ人数:1-4人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:25分/人
製作:Czech Games Edition
デザイン:ペーター・B・ホフガールド
価格:7,000円+税

ゲーム終了後、点数により評価がことなるのですが、その段階がかなり細かく分かれているうえに、モトネタ探しが楽しいものとなっておりますのでそちらも注目!