ワーウルブズ・オブ・ミラーズ・ホロウ


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今回紹介するのはちょっと不思議なゲーム「ワーウルブズ・オブ・ミラーズ・ホロウ」です。人狼と言ったほうが聞こえが良いかもしれません。

まず驚くのがプレイ人数です。なんと8-18人向け!普段気軽に遊ぶには辛い人数かもしれません。逆にゲーム会などで大勢集まったとき、みんなで遊べるゲームを探しているときには非常に適しています。
内容物は役割が書かれた独特な雰囲気のカードが24枚。ゲームはこれに加えて「議長」と呼ばれる進行役が1名必要になります。

プレイヤーは村人とワーウルフの2つの陣営に分かれてお互いを全滅させることが目的です。
ゲームは昼と夜の繰り返しで進行し、ワーウルフ達は夜の間に村人1名を食い殺すことができます。一方村人は昼間に多数決で誰か1名を処刑することができます。アメリカ人は多数決が好きですね。

ワーウルフは村人の中にまぎれています。ワーウルフは仲間同士お互いを認識できますが、村人は誰がワーウルフであるか知るすべはありません。ただし、村人の中には「占い師」と呼ばれる人がいます。占い師は1日に1人だけそのプレイヤーの正体を知ることができます。誰が占い師であるかは占い師本人以外は分かりません。
ワーウルフは毎晩確実に村人を1人葬り去れます。村人は何とかしてワーウルフの正体を見破ってそれを全員に伝えなければなりません。占い師は上手くワーウルフに票が集まるように仕向けるようにするべきですが、それ以上に自分が占い師だとばれないようにしなければなりません。占い師はワーウルフにとって厄介な存在ですから、正体がばれたら真っ先に食い殺されてしまうでしょう。
ワーウルフ側も自分の正体がばれては大変なので、嘘を駆使して自分の疑惑を晴らそうとします。この発言や振る舞いの分析と推理、それによって生まれるブラフ、疑心暗鬼、葛藤こそがこのゲーム最大の肝です。

最初は少し戸惑うかも知れませんが、2-3度プレイするうちにカマをかけたり相手の不用意な発言を見つけることにのめりこんでしまいます。
上記の占い師の他にも、死亡する際誰か1人を道づれに出来る「ハンター」、秘薬を使って死者を生き返らせる「魔女」、夜のうちにワーウルフの行動を覗き見る「少女」など村人には様々な特殊能力を持った職業が存在します。

気をつけて欲しいのは、あくまでも村人側/ワーウルフ側全体で勝敗が決まるゲームですので、最初に殺されてしまったプレイヤーは負けるわけでもないですし、プレイヤー自身が生き延びることが重要なわけではありません。むしろ必要ならば自身が囮になって占い師のフリをしたり、自分の疑惑を晴らすため仲間のワーウルフに処刑の票を入れることもあるでしょう。

先にも述べたようにこのゲームはプレイヤーの推理や駆け引きがメインになります。死亡してしまったキャラクターが会話に参加したり、自分のカードを故意に公開する行為はゲームを台無しにしてしまいます。
このゲームに限ったことではないですが、マナーを守りフェアプレイをこころがけることが大切です。

議長の腕にもよるところも大きいのですが、プレイヤーの協力でゲームの雰囲気はぐっと盛り上がります。システム的に参加者に依存する部分が大きく、遊ぶ人を選ぶかもしれません。ぜひとも村人になりきって、背徳的な生存ゲームを楽しんでください。

私的ゲーム評価
ルール難易度:易(ルールは極めてシンプル)
戦略性:特殊(完全に会話の駆け引き、参加者に依存する部分が大きい)
運:大(誰がどの役割になるかで大きく左右される)
コンポーネント:良(イラストの雰囲気がいい味を出している)
言語依存度:無(カードに文字は書いてありません)
背景世界再現度:不明(参加者に大きく依存します)