収穫三部作完結! 『洛陽の門にて』


ウヴェ・ローゼンベルクの収穫三部作の最終作、デザイン的には最初に完成していた
「洛陽の門にて【日本語版】」が来週発売予定です!
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洛陽の門にて 洛陽は漢の都として栄え、古代中国の四大都市のひとつに数えられていました。経済の勃興に伴い、新興の都市である洛陽はより多くの食糧供給を必要としていました。
 食糧は近隣の農家が、小麦・カボチャ・カブ・白菜・豆・ニラを栽培して調達していました。
 収穫が終わると、農家は洛陽の門に集まり、野菜を売買したり交換したりします。いつものお客さんに配達したり、お金になるならば通行客に売ったりもします。また、市場で交換したり、種として畑にまた植えたりもできます。
 在庫がない野菜は、商店で買うことができます。いろいろな能力をもった20人の助手が手伝ってくれます。成功するのは、限られた時間で繁栄の道を最も進んだ農家です。一歩進むごとにかかるお金はどんどん増えますが、お金は投資にも必要です。農家は両方のバランスを取らなければなりません。

ゲームの舞台は漢代は洛陽近郊の農家となって野菜を育て、都の市で作物を売り買いし、お金を稼ぎ、稼いだお金を払って得点トラックを進めていき、9ラウンド後に最も得点トラックの進んでいるプレイヤーが勝者となります。
ただしお金は作物を購入したりするのにも使うので、使いすぎてもダメ。
プレイヤーの経営センスが問われます。


最初の畑他の畑作物は自分のストックから畑に植えることで増やせます。畑の作物は各ラウンドにひとつづつ収穫していきます。
よって収穫期間は畑の面積で決まり、高価なニラや豆などは作付け面積の小さな畑でなければ植えることができず、収穫期間も短くなります。

畑は順次増えていくのですが(臨時の畑も手に入る場合が)、好きなときに好きなものが作れる畑があるとは限りません。収穫した野菜コマは明日の種にもなりますので、全部売ったりしてしまうのも考え物です。しかも保管できる量に限度があるので、お客に販売することができなかった場合は、商店に泣く泣く格安で売り払って現金化しなければならない場合もありえます。
・・・なんか胃が痛いなぁ。

銭

まぁ、金が無いときには借金できないことは無いのですが、借金1回は高いお金を払って進める得点トラック1歩後退と等価なので、しないに越したことはありません。
お店と市場

他にも作物は他にも商店からお金で購入したり、市場で作物と交換することで手に入れることができます。

コンポーネントは、おそらくこのゲーム以外での用途は無いであろう、木製の野菜コマがきれい!
小麦
麦
 一番安い作物。最初の畑に作付けできたら、とりあえず毎ラウンドひとつは麦が手に入ることになります。

カボチャ
南瓜
 同じく安い作物。最初から作付けできます。
 ちなみに原産は南北アメリカで、カンボジア経由で入ってきた作物なのですがなぜか漢代洛陽で売り買いされています。不思議!

カブ
蕪
 これも最初から作付け可能。赤カブなのは色がさびしいから?

白菜
白菜
 Chinese cabbageといわれるくらい、中国の代表的な作物。
 ちょっと狭い畑を手に入れないと作れない。


豆
 ゲーム中では高級食材です。
 このあたりから早々簡単に作れなくなってきます。

ニラ
葱、じゃなくて韮
 ネギではありません。
 一番狭い、3回しか収穫できない畑でのみ作付け可能。
 その分見返りは大きい・・・はず。

お客さま作物はお客に売ることで現金化できますが、固定客一見のお客とがいて、固定客は4ラウンドにわたって同じ組み合わせをお届けしないとクレームを入れてきてお金が減ります。
2個1セットで4ラウンドなので、生産する作物は4ラウンドはその組み合わせを供給できないと危ないわけですが、ネギは3ラウンドしか持ちません。同じものを2個というパターンもあります。

一見さんは3個(主に3種類)の作物を売らなければなりませんが、一回きりでいなくなります。また、一見さんばかり相手にしていると、商売をおろそかにしたということでペナルティが入ります。

一見客は瞬発力が大きいのですが、トータルでは固定客の落としていくお金のほうが大きいことになります。

助手これらだけだと生産管理と販売管理だけのゲームですが、販売などの助けをしてくれる助手の存在が更なる駆け引きを生みます。

いろいろ種類があるのですが、思わぬシナジー効果もあるので戦略にあわせて自分のものにできたらいいのですが。

このほかにも、通常の畑(毎ラウンド1枚追加)以外の、臨時の畑が存在しており、出荷数と種類を何とかするという方向でカードを集めるのもアリ。

これらの、作物を作ったり、現金化してくれたり、交換してくれるカードが重要なことがお分かりいただけると思うのですが、このゲームの肝は、カードをどうやって手に入れて、場に出すかです。

各プレイヤーは毎ラウンド4枚のカードを受け取ります。
進行プレイヤーが1枚カードを場の中央に出して、ドラフトが開始されます。

ドラフト中には以下のことができます。
 ・「手札」を1枚中央に出してパス。
 ・「手札」から1枚と「中央の場」から1枚、選んで自分のカードとして配置する。

どうする?つまり、2枚都合の良いカードを手札から出すには、最初に1枚だけ中央に出し、ぐるっと回って自分の番が再び来たときに他の人が取っていなかったとき、初めて「手札」と「中央の場」を選んで自分のカードとして配置できることになります。

この駆け引きが最大の肝です。

欲しいカードが中央の場に無い場合、手札のカードを出すために無理にでも1枚選んで手札のカードと自分のものにして配置するのか(下手な固定客は取ってしまって納品できずに罰金払う羽目になるかも)。

それとも後から他の人が場の中央に出すのを期待して、自分も1枚場に出してパスするのか(嬉々として他のプレイヤーがもってっちゃったり・・・)。

場にあるカードは自分にとっていらないものでも、他の人にとって有用なので、止めのために自分でとってしまったほうがいいのか(結局自分の戦略が作れない・・・)。

ただでさえ畑の作物ローテーションを考えなきゃならないのに、今後のことも考えてカードを取らなきゃならず、じっと手札と場をにらんでの駆け引きという、脳ミソフル回転の状態に!!知恵熱が!

カードをこのドラフトでそろえたら、つぎはアクションフェイズ。
空いてる畑に野菜を蒔いたり、足りない野菜を商店から買ったり、場に出ているお客に野菜を届けたり、助手の能力を使ったりします。
いろいろコンボも発生するので研究の余地アリです。

得点の長い道そしてお金がたまったら、勝利得点のトラックを進めます。
最初の一歩は一文でいいのですが、同じラウンドにさらに進める場合は、次に進めるマスの数字と同じ金額を払わなくてはならず、ゲーム後半の1歩はかなり高額なものとなります。

先に出ていたアグリコラル・アーブルよりはルールも平易で、独特なドラフトの駆け引きも面白く、コンポーネントもカードがメインなので場所もそれほどとらない好ゲームとなっております。
あとプレイ人数も1~4人(ベストは2~3人といったところかな?)なので、メンツをそろえる労力も少なくてすむのもいいところ。
プレイ時間もそれほど長くなく(というかうなっているうち終わってしまった><)、なにより、他の収穫シリーズとちがって、家族を食べさえたり、従業員を食べさせたりするのに奔走しなくていいのは精神衛生上非常によろしいかと!!<何があった。

来週週末には店頭に並ぶかと思いますのでご期待ください!

プレイ人数:1人~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:60分~120分
ゲームデザイン:U・ローゼンベルグ
製作:H@ll Games
日本語版販売:ホビージャパン
価格:7,600円+税