GAMEJAPAN特選ゲーム クラウド・ナイン


クラウド・ナイン、それは漢の武帝の時代に熱気球を用いた命がけのチキンレース『九雲制覇』に起源を発する。

9つの雲の層を突きぬけ、上昇し続ける熱気球に漢たちが乗り込む。雲の頂点を極めた者には、無双の名誉が与えられたという。しかし気球を上昇させ続けることは高度な技術が必要であり、いつ墜落しても不思議ではなかったため、無理だと見極めれば途中で降りることも英断とされた。しかし、あまりにも早く気球を降りてしまった者は臆病者と罵られ、終生人前から隠れ住むことを余儀なくされたと言う。なお現代でも使われる「雲隠れ」という言葉はこの古事に由来する。

地曳蓮書房刊『特選ボードゲームの起源』

このゲームは気球が上昇するほど高まっていくポイントをたくさん稼ぐことを競うゲームである。
しかし墜落するときゴンドラに乗っていたら、ノーポイントでフィニッシュとなってしまう。
非常に度胸と判断力が試されるゲームだ。

コンポーネント:

「ボード」はしっかりした厚手の紙製。
「ダイス」は6面体で、このゲーム特製のもの。
「気球ゴンドラ」はよくできたミニチュアで、乗務員をあらわすコマを実際に搭載可能で、雰囲気パッチリ。

ゲーム内容:
気球は9つの雲の層を上昇していく。上昇するほど乗員がもらえるポイントが上がっていくが、上昇できるかどうかは順番に役割が回ってくるパイロットにかかっている。
パイロットは雲に記された数だけダイスを振る。ダイスの結果、次の上昇に必要なカードの色と枚数が決定される。他のプレイヤーはパイロットの手札に指定されたカードを持っているかを見極め、気球に残るか、飛び降りるかを決定しなければならない。


カードは4色ある。写真だとダイスが黄色と緑の目になっているので、パイロットが手札に黄色と緑(またはワイルドカード)を持っているかどうかを他のプレイヤーは判断する。

飛び降りれば、とりあえず現在のポイントを確定できるが、もし気球が無事上昇していくようなら大きくポイント差が開いてしまう。ゴンドラに残った場合は、パイロットが万が一十分なカードを持っていないようならノーポイントのリスクがあるわけだ。

基本ルールはこれだけだ。シンプルながら非常に熱くなれるシステムとなっている。
実際には白紙のダイス目(カードの色指定なし)や、どんな指定にも対応できるワイルドカードの存在もあるので、意外な展開も楽しめるようになっている。

何回も気球の旅を繰り返し、先に50ポイント以上を獲得したプレイヤーが勝利となる。
世にも珍しい気球チキンレース。勇者と称えられるか、はたまた雲隠れ人生が待っているかは君しだいだ!

プレイ人数:3-6人
プレイ時間:約30分

私的ゲーム評価
ルール難易度:易(すぐにゲームを始められます)
戦略性:普通(手札の読み合いやブラフの要素が重要)
運:高(サイコロの目やカードの引きは重要です)
コンポーネント:優(気球ゴンドラは無駄に豪華で楽しいです)
言語依存度:低(カードやボードに英文はありません)