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【8月の新シリーズ】かじいたかし先生スペシャルインタビュー!【『灼天の竜喰らい』インタビューその2】



ブログメイン更新担当・緑茶です。

最新作『翼の姫と灼天の竜喰らい  ツナガリノソラ』も発売目前。
本作のキャラクターの魅力についてかじい先生に語って頂いた前回に続き、 今回は要注目ポイントや作品設定執筆上の苦労、本作にこめたメッセージをうかがいました。
創作のヒントがたっぷり詰まっている!?
(前回のインタビューはこちら)



――さて、設定の話が出た次は、登場人物について聞いていこうと思うのですが、まずは主人公をはじめとした主なキャラクターについて教えて下さい。
かじい:了解です。えーと、こんな感じでしょうか……。

天星大句(あまほしおおく)

本編の主人公。心のなかではヒロインを凄く気にかけているのに、口では「どうでもいい」なんて言ってしまうようなタイプです。広義のツンデレ? わりと不器用というか、あんまり生き方のうまくない男の子なんですけど、そのへんを感じ取った女の子は吸い寄せられるようです(笑)。

――タイトルにある「竜喰らい」とは大句のことですよね? 「竜殺し」でなく「竜喰らい」と呼ばれることには何か理由でも……?
かじい:ドラゴンを食べちゃうからなんですけど、どう食べるかは本編で、と濁しておきます。

未々桜(みみお)エル

飛びたがりの女の子で、亡国の姫騎士です。自作に姫騎士という存在をどうしても出したかったので姫様設定になりました。とっても貴重な飛行能力をもっており、飛んでドラゴンに勝つことを夢見ています。一直線な性格で、興味をもった大句にも積極的に関わろうとし、大胆な発言で周りを戸惑わせることもあります。
本作はこのエルから全てが膨らんだ作品なので、非常に重要なキャラですね。彼女が本当の飛行能力をモノにできるかどうかがストーリーのポイントとなります。

皇城清羅(すめらぎせいら)

凛とした令嬢騎士です。責任感が強く、周囲の人たちを守ることが生きがいなので、武器も皆を守れる傘状のものに設定しました。主人公の大句を一途に想っていますが、行動にうつせず悶々としていたら、大句とエルが仲良くなってしまい、さらに悶々とするハメに。
自分で書いていてもっと積極的に行け!! と背中を押したくなるキャラですね。

ユーリヤ・イヴァーナヴナ・フルシチェロワ

おとなしい系の美少女です。ロシア出身ということで、僕の考えるロシアキャラ二大要素「デカイ・重量級」「妖精のような女の子」の両方を詰め込み、細くて小さい体ながら、超重量級の武器を操る「重戦車(チジョールィイ・ターンク)」となりました。実は大きな設定があるのですが、ここでは伏せておきます。
余談ですが、彼女をロシア人にするかウクライナ人にするか迷っていたんですけど、今年に入ってから両国の間で問題おきまくりで驚きました。

――ありがとうございました。そのなかで、特に気に入っているキャラクターは誰でしょうか?
かじい:ユーリヤです。「美少女に巨大武器」の醍醐味を最も表しているキャラなので。

――ユーリヤですか……。
かじい:なんですか?

――さきほどのちっちゃな女の子発言からそれとなく感じていたのですが、かじい先生ってもしかしてロ……
かじい:ええ、ロマンチストですよ(笑)。

――次の質問いきます(笑)。……キャラクター作りはライトノベルを書く上で非常に重要な要素ですが、かじい先生はいつもどういう形でキャラクター作りを行いますか? 何か、傾向やコツはあったりしますか?
かじい:ヒロインは内面の衝動に従って作っているだけなんですよね。

――もう少し参考になるような回答をお願いしたいのですが(笑)。
かじい:わかりました(笑)。そうですね……ものすごく基本的な手法ですが、主人公と、主人公といちばん絡むヒロインは、逆の性質をもつもの同士をセットにするよう心がけています。たとえば「天然としっかり者」とか「クールと活発」とか。そのほうが、掛け合いに面白味が生まれると思うんですよね。
あとは……偉そうに言えるほど確立したものではないんですけど、「その世界において貴重な能力を持つヒロイン」というのは、自分の手法かもしれません。たとえば、今作だと「人が空を飛べない世界」で「飛行能力をもつヒロイン」、前作(「僕の妹は漢字が読める」)だと「漢字が使われていない世界」で「漢字が読めるヒロイン」。このパターンは設定を絡めたキャラ立ちがしやすいので、今後も何かの作品でやるかもしれません。

――硯先生のイラストにはどんな印象をもたれましたか?
かじい:かわいい!!!! 他のライトノベルやゲームでイラストを拝見していたときから、特徴的な愛らしい「瞳」を描かれる方だなあと思っていたんですけど、本作でもその個性を発揮していただきました。こちらからあれこれお願いしてしまったのですが、見事に応えて頂いたと思います。本当にありがとうございます。

――ちょっとここで質問の切り口を変えまして……今作は前作の「僕の妹は漢字が読める」とはかなり違ったイメージですよね。「変えよう」という意思はあったのでしょうか?
かじい:当然、文体や作風はジャンルに合わせて変えようと思いました。ただ、意外に思われるかもしれませんけど、根本はそんなに変わってないんですよ。僕は常に人間賛歌を書いているつもりなので……。

――そうなんですか?
かじい:そうなんですよ!!(笑) 今作は、人間とドラゴンを対比させることで、よりストレートな人間賛歌の物語になっています。前作を最後のほうまで読んでいただいた方は、通じるものを感じられるかもしれません。

――なるほど、かじい先生としては、本質は変わっていないということですね。できれば、その「人間賛歌」について詳しくうかがいたいのですが。
かじい:この作品についてこと細かに語ってしまうのは野暮だと思うので、単純に自分のことを言うと……いや、それを語るのもちょっと恥ずかしいですけど……話をつくっていると結局そこに行きついてしまうんですよ。人は素晴らしい、と(笑)。結局、物語って人間を書くことになるので、そこで、「人はダメだ」とは思いたくないじゃないですか。そうすると、ごく自然にポジティブなこと書きたくなるんだと思います。

――人間賛歌をうたったり、ご自身のフェチ(※)を啓蒙したり……。いろいろと深そうですね。
かじい:なんか含みのある言い方じゃないですか、それ(笑)。
※前回のインタビュー記事参照

――話題を変えましょう(笑)。前作は投稿作でしたが、今回の「竜喰らい」は、ゼロから企画を練り上げた初めての作品ですよね。そのあたりで苦労されたことなどは?
かじい:企画どうこうというより、三人称で書くことに手こずりました。前作が一人称だったので、今度は三人称でやるかと気軽に手を出したらヒエエエエエエッていう……。三人称の場合、どうしても文が重たくなっちゃうんですよね。個人的にはすっきりあっさりな文章が好きなので、出来るだけ軽めにしたいんですけど、ドラゴンとの戦いなんかをあんまり軽く書くのも良くないですし……バランスをとるのが大変でした。

――ああ、人称の変更は苦労する書き手さんもいらっしゃるようですね。逆に、今作を手掛けて楽しかったことや、嬉しかったことなどはありますか?
かじい:そうですね、さっき根本は変わらないとは言いましたけど、ジャンルが前作とまったく別物になったので、書けるかなという不安もあったんですよ。書き始めてから、こりゃきっついなと思ったことも正直ありましたし。ただ、やっているうちに出来るようになったこともあったので、嬉しかったですね。

――作家としての引き出しが増えたという感じでしょうか?
かじい:増えた、とは言い切れませんが、この作品をやったことで見えたものがたくさんありました。その経験は今後に絶対活かすつもりです。

――では最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
かじい:本作は「出会い」の物語でもあります。男の子と女の子の出会い、人類とドラゴンの出会い。作者の僕としては、本作で読者の皆様と出会えたらこれに勝る喜びはありません。どうぞよろしくお願いします。

――本日はありがとうございました。
かじい:こちらこそ、ありがとうございました。


かじいたかし先生のインタビューはこれにて終了。繰り返しになりますが、
『翼の姫と灼天の竜喰らい  ツナガリノソラ』8月1日(金)発売です。
なお、ここの立ち読みコーナーでは、本作品がなんと第二章まで無料で読めてしまいます。
興味を持たれた方はぜひご一読ください。
また、発売日となる明日は本作の「プロローグ・オブ・プロローグ」となる書き下ろし掌編を
このブログにて掲載予定。こちらもお見逃しなく!


(緑茶)