クアリッタの音楽室  「機奏英雄 その2」/th>
みなさま、こんにちは。瑠璃の歌姫クアリッタです。
今回は、機奏英雄の皆さんと「歌姫として認められる」という点についてお話いたしましょう。

歌姫大戦で絶対奏甲が発明される以前から、アーカイアには歌術がございまして、織り歌を歌うことで力を振るう存在としての「歌姫」はいました。
歌姫大戦によって記録が散在し、今となっては不明なことの方が多いのですが、大戦以前もなにかしらの試験があり、それに合格することで、歌術に必要な歌姫の首飾りを与えられ、身に付けて歌術の力を行使していたのは、間違いないようです。
つまり、アーカイアで歌姫として認められるのに、本来は機奏英雄や絶対奏甲は、関係していなかったのです。

これを覆したのは、絶対奏甲の実用化でした。絶対奏甲が戦闘力を十分に発揮するための織り歌も編み出され、機奏英雄を召喚することも含めてアーカイアの総力を挙げて奇声蟲と戦う中で、すべての歌姫が機奏英雄と絶対奏甲を支援する歌を歌い、支援をおこないました。

当初、この支援を単に技術として行っていた中で、飛びぬけた力を発揮する機奏英雄と歌姫のペアが、幾組みか報告されました。調査の結果、それらのペアは、次元も超える特別な結びつきを持つことがわかったのです。これが「宿縁」です。
それが判明しやすいよう、宿縁の相手に反応して輝く「指輪」が作り出され、宿縁が判明した中から特に力の強いペアたちには、特別に仕立てられた絶対奏甲が与えられました。これらには星座や護り石という歌姫のコンディションに関係すると言われていた、研究中の力も付与されたと言い伝えられています。

このような滅亡の淵でのあらゆる試みによって、歌姫大戦はアーカイアの住人が勝利したのです。
このような経緯から、歌姫と機奏英雄、そして絶対奏甲は、切っても切れないものという認識が、一般にも広がりました。

そして今回の奇声蟲の大規模な襲撃にあたり、評議会は戦力としての「歌姫」を増強する目的で、各種のテストを廃し「宿縁の相手がいる者」であれば歌姫に任命し、首飾りを与えました。そして多くの人が、首飾りがあることだけで、絶対奏甲を支援するに足る歌術を行使できてしまったのです。
それは絶対奏甲が発明されてから、避けるべきとして言われ続けてきた「絶対奏甲のための歌姫」の存在を、評議会自らが認めてしまうことになりました。
それに反発した歌姫の集まりが「自由民」であったり、ヴァッサァマインの人々が評議会に不信を強めたり、というアーカイアの不和をもたらしたとも言えるでしょう。

本来は、才能が有り、首飾りを備えて織り歌を歌って効果があれば、その人は歌姫なのです。
「宿縁」は2人の間に元からあるものだそうですが、機奏英雄と出会うかどうかが、歌姫になれるかどうかの条件であるのは、事実とは少しはなれた緊急対応的な「手段」と理解したほうが良いかもしれません。
機奏英雄との関係と、「歌姫として認められる」という点について、少しでもご理解いただけたでしょうか。

戦闘に関係しない歌術については、次回にご案内します。