今回紹介するのは秋の夜長にピッタリな、余った時間でサクッと2人でプレイできるキノコ狩りゲーム……
「フンギ/fungi」はラテン語でキノコのことで転じて菌類のこと。なのでタイトルはすげーストレートな感じ。
ゲームは2人用で、「山に分け入ってキノコを採り、その場で調理して舌鼓を打ちつつその成果を競う」というもの。
登場するキノコは10種類。
ベニテングタケ(Amanita muscaria)
言わずと知れた毒キノコ。
ゲームでは点数にならないし、手札上限が減る。
ナラタケ(Armillaria mellea)
味噌汁がうまいぞ。
キクラゲ(Auricularia auricula)
中華で使うあれ。歯応えがいいよな。
英語では“Tree ear”、つまり「木耳」
ヤマドリタケ(Boletus edulis)
ポルチーニとかいろんな名前がある。イタリアンでうまい。
アンズタケ(Cantharellus cibarius)
肉料理に使ってうまいらしい。
ササクレヒトヨタケ(Coprinus Comatus)
カサが液化する前に調理するとか。
うまいらしい。
マイタケ(Grifola frondosa)
栽培は意外と近年になってから成功。
天ぷらがうまいよね。
ヤマイグチ(Leccinum scabrum)
日本にもあるイグチの仲間らしい。
うまそう。
シイタケ(Lentinula edodes)
言わずと知れた。焼いても汁にしてもうまい旨味の塊。
しかし苦手な人は細かく刻んだにもかかわらずこっそりよけてたりする。
海外では高級品らしい。
アミガサタケ(Morchella esculenta)
バターでいためたりオムレツにいれたりするらしい。
中華食材屋さんで乾燥したのが売ってたな……
カード名は和名・学名併記です。
森のカードには他にも……
キノコと一緒に料理するとボーナスを与えるバターと料理酒(シードル・リンゴ酒)
ゲーム的には「キクラゲをバターで炒める」こともあるのだが、うまいのだろうか……
豊作になったきのこはこちら。
夜カードを取った時に引けるカードで、1枚で2枚分。
ただし、ベニテングタケとキヌガサタケはありません。
これらのカードの上には、全体で何枚入っているのかと言う表記もあり、何枚森にあらわれて、何枚山札に残っているのかが重要。
最初のプレイヤーの持ち物はフライパン1つとカード3枚だけ。

森は森カードの列であらわされて、足元を表す靴のカードから、山札に近づくにつれ森の奥となります。
ゲームは自分の番に、
1)カードを取る
足元はノーコスト、森の奥は杖を支払ってカードを取ります。
つまり、森の奥に無理やり分け入るには労力が必要である、ということ。
手札を取るうえで重要なのは、手札上限があること。
いらないカードは任意に捨てることはできません……そんな時は《籠》を取るか、《ベニテングダケ》で意図的にペナルティ被って手札上限を下げて無理やり捨てるしかありませんので、よくよく考えてカードを取る必要があります!
2)腐敗カード置き場のカードを全部取る

腐敗カード置き場は、後述しますが森の列から流れたカードが溜まる場所です。
処分ワケアリ品みたいな感じかな?
3)3枚以上同じキノコがあったら料理する
同じキノコ3枚以上+フライパンで料理完了。カードに記された点数となります。
夜カードは同名のキノコ扱いですが、2枚分になります。画像では夜のキノコも併せてプレイして、4枚分で調理完了。
4)2枚以上同じ種類のキノコを売る
通貨は「杖」で、カードに記されている枚数の杖を受け取ります。
5)フライパンを手札から場に出して置く
手札には上限枚数があるので、手札を圧迫させたくない場合フライパンを先に出しておくこともできます。
以上のいずれかを行ったら、手番終了。
手番終了後は……
森の列の山札から一番遠くのカードが腐敗カード置き場に流され……
残った森カードは空いた場所を詰めてから補充されます(だんだん森の奥に分け入ってるわけですね)。
なお、腐敗カード置き場は5枚目が出るときに、先にあった4枚が捨て札になってしまいます。
このようにしてどんどん変化していく森の中から、効率よくキノコを採って、要らないキノコは処分し、料理していくことで点数に変えていきます。
……が、相手は手番で何をすることになるだろうか、その結果自分の手番で取れるカードはどれなのか、腐敗カードは今がお得なのか、取らなかったら流れてしまわないか、手札上限は大丈夫か、場にあるキノコは相手が何枚持っていて、何枚デッキに残っているか………などなど駆け引き、考えどころはいろいろあります。
しかも、こんな感じのごく普通のセットコレクションのゲームではありますが、特筆すべきはその雰囲気と美麗なアートワーク!
森を分け入ってキノコを採って、その場で食べるという経験がある人(そんなにいないか?)にはかなりグッとくるのではないかと思われますし、テーマとゲーム中でやることが具体的ではっきりイメージしやすいので、初心者も誘いやすいのではないでしょうか?
2人用ゲームもいくつかあったほうがよいな、と言う人にオススメするのはもちろんのこと、山歩きが好き、毎年採りに行ってます、タケノコよりキノコ、あまった時間に何しよう……という人には特にオススメいたします。
フンギ
プレイ人数:2人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:20-40分
製作:Pegasus Spiele
デザイン:ブレント・ポーヴィス
価格:2,600円+税






